セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
大腸-その他 1
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タイトル |
外P-484:大腸癌手術における抗血栓剤の影響に関する検討
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演者 |
山本 雅由(筑波メディカルセンター病院・消化器外科) |
共同演者 |
永井 健太郎(筑波メディカルセンター病院・消化器外科), 奥田 洋一(筑波メディカルセンター病院・消化器外科), 大原 佑介(筑波メディカルセンター病院・消化器外科) |
抄録 |
【はじめに】心脳血管障害患者の増加と治療の進歩により抗血栓剤使用による維持療法患者が増加している.必然的に抗血栓剤投与大腸癌患者も増加しており,この患者に対する手術は抗血栓剤の影響による術後出血や,中止による心脳血管障害の増悪および術後の肺塞栓(PE)や下肢静脈血栓症(DVT)の発生に十分注意しなければならない.今回われわれは大腸癌手術において,術前から抗血栓剤を投与されている症例に対する抗血栓剤の影響の有無を,非投与症例と比較検討した.【対象・方法】2009年4月から2012年12月までに行われた大腸癌手術240例のうち,抗血栓剤を投与されていた患者(AT群)182例,投与されていた患者(N群)58例であった.AT群の手術における中止期間は,術前に循環器,脳神経の診療科と麻酔科の十分な連携をとり,また抗血栓剤中止を定めた消化器内視鏡ガイドラインを参考にして行った.患者の年齢や性別,手術治療内容や病理組織診の結果から両者の比較検討を行った.【結果】AT群はN群に比較し,年齢や性別,全入院期間や術後入院期間および輸血量に有意差を認めたが,抗血栓剤の直接的な影響と思われる出血量の増加などの因子やその他の因子に有意差を認めなかった.また両者とも心血管障害の増悪や,術後PEやDVT の発生を認めなかった.さらに短期間ではあるが,生存分析に有意差を認めなかった.【考察】AT患者はN患者より高齢であるためにもたらされる結果であり,抗血栓剤使用によると思われる明らかな合併症は認めなかった.したがって術前から術後にかけての抗血栓剤のコントロールを十分行えば,比較的安全に非投与患者と同様の治療が行えると考えられた. |
索引用語 |
大腸癌, 抗血栓剤 |