セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-その他 3

タイトル 外P-490:

大腸癌卵巣転移手術症例の検討

演者 平山 一久(浜松医療センター・外科)
共同演者 林 忠毅(浜松医療センター・外科), 山本 淳史(浜松医療センター・外科), 鈴木 雄飛(浜松医療センター・外科), 矢田 達朗(浜松医療センター・外科), 中村 明子(浜松医療センター・外科), 丸屋 安広(浜松医療センター・外科), 大菊 正人(浜松医療センター・外科), 田村 浩章(浜松医療センター・外科), 金井 俊和(浜松医療センター・外科), 池松 禎人(浜松医療センター・外科), 西脇 由朗(浜松医療センター・外科)
抄録 【はじめに】大腸癌卵巣転移のまとまった症例数の報告は少なく今回当院にて経験した8例について報告する.【対象と方法】1998年から2012年までに当院で手術を施行した大腸癌卵巣転移8例について臨床病理学的特徴について検討した.【結果】同時性卵巣転移1例,異時性7例.年齢:原発巣手術時均年齢は53歳(45-76歳),卵巣手術時54歳で,閉経前3例,閉経後5例だった.原発巣:上行・横行・下行結腸各1例,S状結腸3例,直腸S状部・上部直腸各1例と左側に多かった.組織型は高分化型3例,中分化3例,低分化・粘液型各1例,深達度はss6例,se2例でリンパ節転移を7例に認めた.原発巣手術時の同時性遠隔転移が3例(卵巣1例,肝臓2例)で,卵巣転移は同時切除し,肝転移巣は2例とも化学療法後(BV-FOLFOX)に切除した.卵巣転移:異時性転移7例の原発巣切除から卵巣再発までの平均日数は382日で,5例が1年以内に再発した.卵巣転移による腹痛・排便障害を4例に認めた.転移側は両側2例,右側5例,左側1例だった.両側卵巣切除が5例に,転移側のみの卵巣切除が3例に施行された.R0手術は3例で,他は癌が遺残した(腹膜播種3例,肺転移・腟断端陽性各1例).卵巣の転移巣の腫瘍径は平均78mm(20-170)だった.分子標的薬を含む新規抗癌剤治療が術後6例に施行された(BV-FOLFOX 5,BV-FOLFIRI 2, Pmab-FOLFOX 1, Pmab-FOLFIRI 1, Pmab単独2, Cmab単独1例 重複あり).再発と予後:同時性卵巣転移の1例のみが現在も無再発生存中である(術後1589日).R0手術となった3例のうち2例は腹膜再発し,8例中4例が死亡したが3年以上の生存例が2例存在した.【まとめ・考察】卵巣転移は比較的若年者で,原発巣術後1年以内の再発が多かった.長期無再発生存が1例あり,非治癒切除や再発症例にも3年以上の生存例が存在した.卵巣転移の症状により患者のQOLをおとすこともあり,積極的な手術と分子標的薬を併用の新規抗癌剤投与が長期生存に寄与すると思われた.
索引用語 大腸癌, 卵巣転移