セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-その他 3

タイトル 外P-492:

腹膜転移巣(P1)の病理組織学的所見からみた根治度B大腸癌の予後

演者 小森 康司(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科)
共同演者 木村 賢哉(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 木下 敬史(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 佐野 力(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 伊藤 誠二(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 安部 哲也(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 千田 嘉毅(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 三澤 一成(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 伊藤 友一(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 植村 則久(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 川合 亮佑(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 服部 憲史(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 金城 和寿(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 大澤 高陽(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 今井 健晴(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 二宮 豪(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 清水 泰博(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科)
抄録 【背景】大腸癌治療ガイドラインには「P1は完全切除が望ましい.」とされているが,腹膜転移巣の病理組織学的所見から予後を考察した報告は少ない.【目的】同時性腹膜転移巣(P1)を完全切除した根治度B大腸癌において,腹膜転移巣を病理組織学的に評価し,予後との関係を考察.【対象】1980年1月から2007年12月までの28年間で,当科で同時性腹膜転移巣(P1)を完全切除され,かつ転移巣のHE染色標本が評価可能であった根治度B大腸癌17症例した.【方法】(1)切除標本をHE染色にて顕鏡.(2)〈1〉切除断端: 腫瘍が非腫瘍組織(皮膜,脂肪組織など)に完全に包まれた症例を「RM(-)」,腫瘍が露呈している症例を「RM(+)」と分類.〈2〉組織型:腺管構造を呈している症例を「massive type」,腺管構造に乏しい症例を「diffuse type」と分類.〈3〉腫瘍最大径:5mm未満の症例を「small type」,5mm以上の症例を「large type」と分類.【結果】(1)3y-DFSは,切除断端(RM(-):44.4% vs RM(+):16.7%,p=0.227),組織型(massive type:50.0% vs diffuse type:22.2 %,p=0.163),腫瘍最大径(small type:31.3% vs large type:33.3%,p=0.594)と統計学的には有意差を認めなかったが,RM(-),massive typeの方が予後良好.(2)3y-OSは,切除断端(RM(-):55.6% vs RM(+):15.0%,p=0.129),組織型(massive type:60.0% vs diffuse type:13.9 %,p=0.081),腫瘍最大径(small type:30.0% vs large type:44.4%,p=0.896)と統計学的には有意差を認めなかったが,RM(-),massive typeの方が予後良好.【結論】大腸癌治療ガイドラインで提唱している「P1は完全切除が望ましい.」は妥当であり,「完全切除」とはsurgical marginが十分確保できるように切除することであると考えられた.
索引用語 腹膜転移, 根治度B大腸癌