セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-その他 3

タイトル 外P-495:

当院における大腸SM癌内視鏡治療後追加切除症例におけるリンパ節転移予測因子の検討

演者 園田 寛道(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科)
共同演者 清水 智治(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 太田 裕之(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 目片 英治(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 遠藤 善裕(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 谷 徹(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科)
抄録 【目的】当院における大腸SM癌内視鏡治療後追加切除症例をretrospectiveに解析し,リンパ節転移のリスク因子に関する検討を行い,内視鏡治療の適応拡大の可能性について考察する.【方法】1999年9月から2013年2月までの期間に当院にて行った大腸癌内視鏡治療後追加切除症例67例を対象とし,臨床病理学的因子とリンパ節転移との関連をretrospectiveに検討した.【成績】リンパ節転移は67例中9例(13.4%)に認めた.年齢,性別,組織型,脈管侵襲,SM浸潤距離,垂直断端,占拠部位,最大径,術前血清CEA値,肉眼型(有茎,無茎),郭清リンパ節個数,大腸癌治療ガイドライン2010年版に記載されている追加切除の適応基準の各因子の個数(腫瘍浸潤先進部のbuddingに関しては過去の検索不能データが多いので除外)とリンパ節転移の有無に関して検討を行ったところ,単変量解析では,垂直断端陽性(P=0.004),リスク因子数2個以上(P=0.008)が有意リスク因子となった.多変量解析を行うと,垂直断端陽性がハザード比4.577(95%信頼区間:0.812-25.802,P=0.085)とリンパ節転移に最も影響を与える因子であった.また,SM浸潤距離1000μm以上の57例において上記のリスク因子数別にリンパ節転移の頻度を検討すると,浸潤距離以外にリスク因子のない21例ではリンパ節転移率は0%であり,他に1因子認める群:14.8%,他に2因子認める群:44.4%と比べて有意にリンパ節転移が少なかった (P=0.006).【結論】大腸SM癌内視鏡治療後追加切除症例におけるリンパ節転移のリスク因子は垂直断端陽性,リンパ節転移リスク因子数であった.浸潤距離がSM1000μm以上であっても,他にリンパ節転移リスク因子を認めなければリンパ節転移率は0%であり,このような症例には追加切除を省ける可能性があると考えられた.今後は多施設共同による多数例での検討が必要である.
索引用語 大腸癌, 内視鏡切除後追加切除