セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-その他 3

タイトル 外P-496:

リンパ節転移陽性大腸MP癌の検討

演者 豊田 和広(国立東広島医療センター・外科)
共同演者 倉吉 学(国立東広島医療センター・外科), 寿美 裕介(国立東広島医療センター・外科), 田口 和浩(国立東広島医療センター・外科), 志々田 将幸(国立東広島医療センター・外科), 宮本 和明(国立東広島医療センター・外科), 中谷 玉樹(国立東広島医療センター・外科), 池田 昌博(国立東広島医療センター・外科), 貞本 誠治(国立東広島医療センター・外科), 高橋 忠照(国立東広島医療センター・外科)
抄録 【はじめに】大腸MP癌は深達度のみで考えればStage Iであるが,リンパ節転移が陽性であった場合,Stage IIIに跳ね上がる.当科で経験したリンパ節転移を伴った大腸MP癌について臨床病理学的に検討した.【対象と結果】2004年4月から2013年2月までの約9年間の大腸癌切除症例は548例であり,MP癌は61例であった.このうちリンパ節転移陽性であった症例は14例(22.3%)で,転移のなかった症例は47例であった(同時性遠隔転移症例はなかった).リンパ節転移個数は1個が8例,2個が4例,3個が2例で,4個以上転移を認めたものはなく全例Stage IIIaであった.リンパ節転移陽性例14例のうち,術前腫瘍マーカー(CEA,CA19-9)が高値であったのは4例で転移陰性例(12例)と変わりはなかった.腫瘍最大径は13~57(中央値25)mmで,肉眼型は2型が11例と最多であった.組織型はtub2が8例でtub1が3例と転移陰性例と著変はなかったが,先進部に分化度の低い所見を認めたものが4例(28.6%)と多い傾向にあった.間質量はintが最多で転移陰性例と変わりはなかったが,浸潤増殖様式はINFb症例が多く,転移陰性例ではINFa症例が多かった.脈管侵襲はly1が13例,v0が11例であった.手術は開腹手術8例,腹腔鏡補助下手術4例で,D2郭清8例,D3郭清6例,リンパ節郭清個数は4~40(中央値25)個であった.術後補助化学療法は13例で行なっており,11例が経口抗癌剤のみであったが,2例ではL-OHPを含んだレジメンを選択していた.根治度A症例(13例)での再発例はこれまでなく全例無再発生存中である. 【まとめ】当科の術後観察期間(中央値約3.5年)はまだ短く,長期成績は不明ではあるが,リンパ節転移陽性大腸MP癌の予後は悪くはない.今後症例を蓄積し検討していきたい.
索引用語 大腸癌, MP癌