セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
大腸-術後合併症 1
|
タイトル |
外P-497:腹腔鏡下直腸低位前方切除術における縫合不全予防の工夫
|
演者 |
井上 宰(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科) |
共同演者 |
臼田 昌広(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科), 村上 和重(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科), 加藤 貴志(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科), 齋藤 之彦(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科), 日景 允(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科), 立川 翔子(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科), 水井 崇浩(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科), 菖野 佳浩(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科), 望月 泉(岩手県立中央病院・消化器センター消化器外科) |
抄録 |
【目的】当院では2008年4月より腹腔鏡下直腸切除を導入したが, 当初は縫合不全が散見された. 年々工夫を加えていき縫合不全が減少してきている. 今回, 当院で行っている腹腔鏡下直腸低位前方切除術の縫合不全に対する予防とその手術成績を報告する.【対象】2008年4月~2013年2月まで腹腔鏡下大腸切除件数は615例あり, そのうち腹腔鏡下直腸切除術の168例を対象とした.【手技】直腸をEchelon60の可及的1発で切離後, CDH29を用いてDSTによる器械吻合をする. 肛門より直腸内に減圧チューブを留置する. さらに直腸断端のdog ear両側に針糸をかけS状結腸壁に固定する. この際, 用いる縫合糸としてはV-Loc 180クロージャーデバイスが便利である. 経肛門減圧チューブを採用したのが2011年12月からで, さらにdog earの追加縫合を採用したのは2012年11月からであった.【方法】2008年4月~2011年11月までの吻合のみの期間の手術群をDST群, 2011年12月~2012年10月までの経肛門減圧チューブを留置していた群をAT群, 2012年11月以降のdog earを縫合追加した群をDE群として縫合不全などの合併症を検討した. 【成績】腹腔鏡下直腸切除の合併症は168例中縫合不全 19例(11.3%)であった. 特に下部直腸で縫合不全が多く, Rb症例58例中縫合不全は12例(20.7%)であった. Rb群の中で手技別に検討すると, DST群は36例中縫合不全9例(25%), AT群は13例中3例(23%), DE群は9例中0例(0%)であった. (予防的人工肛門造設はAT群とDE群に各々1例のみであった)【結語】腹腔鏡下直腸低位前方切除術において, 経肛門減圧チューブを留置しdog earを追加縫合する方法を導入したことで縫合不全率を有意に減少させることができた. 今後も症例をかさねて検討していきたい. |
索引用語 |
低位前方切除術, 縫合不全 |