セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-術後合併症 1 |
---|---|
タイトル | 外P-499:潰瘍性大腸炎大腸全摘術における骨盤膿瘍発生後の機能的予後 |
演者 | 井出 正造(三重大大学院・消化管・小児外科学) |
共同演者 | 荒木 俊光(三重大大学院・消化管・小児外科学), 大北 喜基(三重大大学院・消化管・小児外科学), 藤川 裕之(三重大大学院・消化管・小児外科学), 橋本 清(三重大大学院・消化管・小児外科学), 近藤 哲(三重大大学院・消化管・小児外科学), 川村 幹雄(三重大大学院・消化管・小児外科学), 小池 勇樹(三重大大学院・消化管・小児外科学), 大竹 耕平(三重大大学院・消化管・小児外科学), 井上 幹大(三重大大学院・消化管・小児外科学), 三枝 晋(三重大大学院・消化管・小児外科学), 廣 純一郎(三重大大学院・消化管・小児外科学), 問山 裕二(三重大大学院・消化管・小児外科学), 小林 美奈子(三重大大学院・先端的外科技術開発学), 大井 正貴(三重大大学院・先端的外科技術開発学), 田中 光司(三重大大学院・消化管・小児外科学), 井上 靖浩(三重大大学院・消化管・小児外科学), 内田 恵一(三重大大学院・消化管・小児外科学), 毛利 靖彦(三重大大学院・消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大大学院・消化管・小児外科学DELIMITER三重大大学院・先端的外科技術開発学) |
抄録 | 【背景】大腸全摘・回腸嚢肛門吻合(IAA)は潰瘍性大腸炎に対する根治的な治療で,術後のQOLも高い.一方で術後に骨盤膿瘍を来たす例が少なからず存在し,それに対し様々な治療が必要となり時に難治性である.また,それらが肛門機能に与える長期的な影響については不明な点が多い.【目的】潰瘍性大腸炎手術患者において術後骨盤膿瘍発生の有無による排便機能に対する影響を評価することを目的とした.【方法】2003年1月から2011年12月までに当教室でIAAが施行された潰瘍性大腸炎223例を対象とした.骨盤膿瘍は術後30日以内に発生したものと定義した.排便状況の評価として1日排便回数,夜間排便の有無,肛門痛の有無,soilingの有無,パッドおよび止痢剤使用の有無を調査した.また,術前および術後の肛門内圧測定値との関連を検討した.【結果】術後骨盤膿瘍の発生は27例(12.1%)に認めた.骨盤膿瘍群における自然肛門からの排便可能は24例(88.9%)で非骨盤膿瘍群(190/196;96.9%)に比して有意に低率(p=0.0046)であった.これら自然肛門排便症例における排便状況の比較では,夜間排便の有無,肛門痛の有無,soilingの有無,パッドおよび止痢剤使用の有無のすべての項目で2群間に有意な差は認められなかった.肛門内圧検査の検討でも2群間に術前および術後の肛門管最大静止圧,機能的肛門管長,最大随意収縮圧,および術前後の変化率に有意な差は認められなかった.【結論】潰瘍性大腸炎患者に対するIAA術後の骨盤膿瘍は最終的に人工肛門閉鎖が不能となる可能性が有意に高率となるが,一方で,自然肛門からの排便が可能となった症例では,有意な肛門機能の低下は来たさないと考えられた. |
索引用語 | 骨盤膿瘍, 排便機能 |