セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-術後合併症 2

タイトル 外P-502:

直腸癌術後に発症した直腸精嚢瘻の1例

演者 中島 晋(済生会滋賀県病院・外科)
共同演者 木内 純(済生会滋賀県病院・外科), 藤田 悠司(済生会滋賀県病院・外科), 森田 翠(済生会滋賀県病院・外科), 梅原 誠司(済生会滋賀県病院・外科), 福田 賢一郎(済生会滋賀県病院・外科), 藤山 准真(済生会滋賀県病院・外科), 増山 守(済生会滋賀県病院・外科)
抄録 【はじめに】直腸癌術後合併症として直腸精嚢瘻はまれである.今回我々は,直腸癌に対する低位前方切除術後に発症した直腸精嚢瘻の1例を経験したので報告する.【症例】58歳,男性.下血を主訴に近医を受診,下部内視鏡検査で直腸に2型病変を指摘され当院紹介受診となった.精査の結果,直腸癌および同時性肝転移と診断し,腹腔鏡補助下低位前方切除術を施行した.術後9日目に発熱を認め,縫合不全を疑って絶食・抗生剤投与を行ったところ,速やかに軽快し術後19日目に退院となった.その後,肝転移に対する化学療法を開始したが,術後74日目頃より排尿時痛が出現,尿路感染と診断し抗生剤投与を行ったが軽快せず,CTで精嚢と膀胱内に気腫像を,注腸造影で直腸吻合部と連続して精嚢の造影を認め直腸精嚢瘻と診断した.治療として回腸人工肛門造設術を施行,造設後199日目の造影で瘻孔は消失しており,248日目に肝転移に対する肝部分切除術とともに人工肛門閉鎖術を施行した.以後,直腸精嚢瘻の再燃は認めていない.【考察】自験例での直腸精嚢瘻は,術後縫合不全によって精嚢周囲に膿瘍が形成され二次的に精嚢に穿破して発症したものと考えられた.混濁尿や気尿などの泌尿器症状を認めた場合には本症の可能性を考える必要がある.
索引用語 直腸精嚢瘻, 縫合不全