セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-術後合併症 2

タイトル 外P-505:

右側結腸癌と左側結腸癌手術例におけるSSIの比較検討

演者 岩崎 喜実(獨協医大・2外科)
共同演者 永田 仁(獨協医大・2外科), 高木 和俊(獨協医大・2外科), 石塚 満(獨協医大・2外科), 渋谷 紀介(獨協医大・2外科), 多胡 和馬(獨協医大・2外科), 寺崎 梓(獨協医大・2外科), 窪田 敬一(獨協医大・2外科)
抄録 【背景】結腸直腸癌手術においてsurgical site infection (SSI)は頻度も高く,在院日数にも影響する術後合併症である.直腸癌手術ではSSIの合併率が結腸癌手術と比較し高率であると報告されている.結腸癌手術でも手術部位によるSSIの合併率への影響はまだ明らかでない.【目的】直腸癌を除いた結腸癌にて結腸切除術を施行し,消化管吻合を施行した手術例で,術後SSIの発生頻度を右側結腸と左側結腸にて比較検討する.【方法】2010年3月から2013年3月までに結腸癌にて結腸切除術を施行した145例を対象とし,右側結腸群(R群)と左側結腸群(L群)で術後成績をretrospectiveに比較検討した.同時肝切除症例,多臓器合併切除例や吻合なく人工肛門造設となった結腸切除例は除外した.【結果】S状結腸切除45例,結腸部分切除36例,回盲部切除31例,結腸右半切除28例と結腸左半切除5例が施行された.SSIは45例(31%)で合併した.R群78例中,SSIは30例(38.4%)で発症し,L群67例中15例(22.3%)でSSIを発症し,2群間でSSIの発症頻度は有意差を持ってR群に多い結果であった(p=0.037).SSIの発症の危険因子を単変量解析で検討したところ,R群がSSIの危険因子(p=0.039, odds ratio=2.167, 95%CI:1.040~4.512)の一つであった.【結語】左側結腸よりも右側結腸の手術例でSSIの合併率が多い結果であり,右側結腸手術に対するSSI対策が求められた.
索引用語 SSI, 結腸癌