セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-術後合併症 2

タイトル 外P-506:

腹腔鏡下大腸切除術における腸管切除断端の腹腔外洗浄によるSSI予防

演者 北條 荘三(富山大・消化器・腫瘍・総合外科)
共同演者 吉田 徹(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 森山 亮仁(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 大澤 宗士(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 関根 慎一(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 橋本 伊佐也(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 渋谷 和人(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 神山 公希(富山大・消化器・腫瘍・総合外科DELIMITER千曲中央病院・外科), 堀 亮太(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 松井 恒志(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 吉岡 伊作(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 奥村 知之(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 澤田 成朗(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 長田 拓哉(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 塚田 一博(富山大・消化器・腫瘍・総合外科)
抄録 【目的】大腸癌手術では,元は無菌状態である腹腔内が,腸管切離,吻合操作による腸内細菌により汚染されることがSSI発症の一因と考えられる.そこで汚染した腸管は腹腔外で洗浄し汚染を減らした状態で腹腔内へ戻すことによりSSI予防が図れないか検討した.【方法と対象】当科で施行の腹腔鏡下大腸切除術32例,吻合法はFEEA14例,DST18例について検討した.腹腔外での洗浄法は,小切開創をウーンドリトラクターにて創保護し,FEEA症例は吻合終了後に吻合部を500ml生食,DST症例では腹腔外での口側切除とAnvilHeadの挿入後に500ml生食にて断端を洗浄した.A洗浄開始時,B洗浄終了後の洗浄液について培養検査.また手術終了前の腹腔内洗浄は,凝血塊など除去程度の最小限にとどめ,C閉腹後のドレーン排液を回収し培養に提出した.予防的抗生剤はCDCガイドラインに順次,手術開始前,3時間経過後にFMOX1g投与とした.【結果】切除吻合部は,A洗浄開始時8/32例で培養陽性であり,陽性例8例中6例がDST症例であり,DST症例では断端汚染の頻度が高かった.B500ml洗浄後には培養陽性8例中6例が陰性化し2/32例のみ陽性となった.C閉腹後ドレーン排液は32例とも培養は陰性であった.また,これら32症例に術後創部SSIの発症は認めなかった.【まとめ】腸管切除吻合操作により,8/32例で断端の汚染が確認された.切除吻合部の洗浄を行うことにより,この汚染状態の細菌数を減らすことが可能であった.【考察】切除吻合による汚染部位は,腹腔外で洗浄することにより,無菌の腹腔内の汚染を抑える可能性がある.これによりSSIを軽減する可能性が示唆された.
索引用語 SSI, 吻合部洗浄