セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-その他 4

タイトル 外P-507:

XELOX/FOLFOX治療後の末梢神経障害に対する,牛車腎気丸(TJ-107)+ブシ末(TJ-3023)併用療法の有効性

演者 松浦 一郎(橋本市民病院・外科)
共同演者 嶋田 浩介(橋本市民病院・外科), 岩倉 伸次(橋本市民病院・外科), 東口 崇(橋本市民病院・外科), 中瀬 隆之(橋本市民病院・外科), 堀内 哲也(国立大阪南医療センター・外科)
抄録 大腸癌術後補助化学療法(XELOX)において,投与直後の血管痛,数日つづく寒冷刺激発作,急性期,晩期の末梢神経障害が出現し,化学療法の継続を困難としています.末梢神経障害に対して,牛車腎気丸の予防内服の効果が報告されていますが,確立した治療法となっていないのが現状です.TJ-107に含まれる附子末の末梢神経障害に対する有用性が報告されていますが,末梢神経障害に対する初期投与量や用法用量の設定に関する報告はなく,トリカブトというものへの漠然とした恐怖心から内服を躊躇する患者さんも散見されます.今回我々は,既存の治療法では改善効果のなかった患者20名に対して,附子末の追加内服を行い,末梢神経障害の改善効果ならびに初期投与量ならびに有効用量の検索と安全性の再評価を行った.方法,結果TJ-107投与に加えて附子末を1.5gから投与し2週間毎に,痛みの評価をCTCAE ver 4.0,VAS,DEB-NTCを用いて施行した.疼痛評価を行って効果が不十分な場合には,ブシ末を1.5gずつ増量した.またサーモグラフィーFLIRにて末梢皮膚温度を測定した.結果:附子末3gの内服投与によって上肢の末梢神経障害はほぼ全例でG2からG1に1Gradeの改善効果を認め,4.5gに増量すると8割程度の患者の疼痛が消失した.サーモグラフィーでの観察により末梢神経障害の部位に一致した表面温度の低下が認められ,附子末の投与により早いひとでは,30分程度で皮膚温度の温度上昇とともに,疼痛の改善が認められ疼痛の客観的観察指標としてのサーモグラフィーが有用であった.今回,XELOX,FOLFOXに伴う難治性の末梢神経障害に対する牛車腎気丸(TJ-107)+ブシ末(TJ-3023)併用療法の有効な初期投与量,安全性についてならびに疼痛域の客観的指標としてのサーモグラフィーの有用性について報告します.
索引用語 XELOX, 末梢神経障害