セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
大腸-その他 4
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タイトル |
外P-508:術後FOLFOX(XELOX)療法を施行したStageIV大腸癌における幹細胞マーカー(Sox2, c-myc)発現の臨床的意義
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演者 |
識名 敦(防衛医大・外科) |
共同演者 |
神藤 英二(防衛医大・外科), 上野 秀樹(防衛医大・外科), 内藤 善久(防衛医大・外科), 岡本 耕一(防衛医大・外科), 久保 徹(防衛医大・外科), 深澤 智美(防衛医大・外科), 末山 貴浩(防衛医大・外科), 山本 順司(防衛医大・外科), 長谷 和生(防衛医大・外科) |
抄録 |
【背景】Sox2, c-mycはiPS細胞を樹立した山中4因子に含まれ,幹細胞の多能性を維持する役割を果たすとされるが,大腸癌における発現の臨床的意義は明らかではない.今回StageIV大腸癌における発現に注目し,検討を行った.【方法】対象はStageIV大腸癌切除術後FOLFOX(XELOX)を施行した71例(2004-2010年).切除検体にSox2および c-mycの免疫組織染色を施行.染色陽性癌細胞の割合をともに10%を基準として高発現(H)群と低発現(L)群に分類.臨床病理学的因子,および生存率について比較検討した.【成績】1) 臨床病理所見:年齢, 性別, 組織型, 深達度, 癌占居部位, 脈管侵襲, 根治度(CurB, C)は幹細胞マーカー(Sox2, c-myc)との相関は認めなかった.また,Sox2とc-mycの間の染色性に相関は認められなかった.2) 3年Over-all Survival (3yr-OS):Sox2-H群(n=40)は-L群(n=31)に比べ(34.2%:47.9%;p=0.06), c-myc-H群(n=65)は-L群(n=6)に比べ(40.4%:66.7%;p=0.10)不良の傾向を認めた.Sox2, c-mycがともに高発現を示すSox2-Hかつc-myc-H群はSox2-Lまたはc-myc-L群に比べ不良であった(25.5%:53.3%;p=0.01).3)多変量解析:CurC(p=0.0001)およびSox2-Hかつc-myc-H(p=0.01)が独立した予後不良因子として選択された.【結語】術後FOLFOX(XELOX)療法を施行したStageIV大腸癌におけるSox2およびc-myc高発現症例は予後が不良で,抗癌剤治療抵抗性である可能性が示唆された.幹細胞マーカーを組み合わせることで化学療法の治療効果を予測し得る可能性が示された. |
索引用語 |
Sox2, c-myc |