セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-その他 4 |
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タイトル | 外P-510:ICG蛍光法を用いた直腸S状部付近の血流境界の評価 |
演者 | 渡邉 純(横須賀共済病院・外科) |
共同演者 | 大田 貢由(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 諏訪 雄亮(横須賀共済病院・外科), 鈴木 紳祐(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 石部 敦士(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 渡辺 一輝(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 本間 祐樹(横須賀共済病院・外科), 高川 亮(横須賀共済病院・外科), 南 裕太(横須賀共済病院・外科), 盛田 知幸(横須賀共済病院・外科), 茂垣 雅俊(横須賀共済病院・外科), 舛井 秀宣(横須賀共済病院・外科) |
抄録 | 【背景】IMAからS状結腸動脈最終枝(SL)と上直腸動脈(SRA)との分岐部はSudeck’s Critical Point(S-point)とされ,左側結腸癌手術時に辺縁動脈のみで腸管が栄養される状態となった場合,RS付近に辺縁動脈レベルでの血流の吻合がない症例ではS-Pointを介して血流境界の対側に血液が供給されることとなるが,RS付近の辺縁動脈レベルの血流の吻合の有無の頻度や臨床的意義は明らかではない.【目的】RS付近の辺縁動脈レベルでの血流動態を評価する.【対象・方法】2012年より左側結腸癌手術施行症例を対象.まずリンパ節郭清における中枢側血管処理を施行,下行結腸,S状結腸癌症例では口側腸管を切離,直腸癌症例では肛門側腸管を切離する.SL分岐直後のSRAをブルドック鉗子でクランプするとS-Pointを介した血流が遮断されるため,RS付近は下行結腸,S状結腸癌症例では肛門側方向から,直腸癌症例では口側方向からの辺縁動脈のみで栄養される状態となる.その後,ICGを静注しICG蛍光カメラを用いてRS付近の血流を観察した.【結果】12例に施行.年齢66.2歳,男性4例,女性8例.術式は下行結腸切除術1例,高位前方切除術5例,低位前方切除術6例.RS付近の辺縁動脈の血流吻合が良好例:5例(41.7%),RS付近に血流境界を認めるが,すぐに対側が造影される症例:3例(25%),血流境界を認め,対側の造影が遅延する症例:2例(16.7%),血流境界を認め,対側が全く造影されない症例:2例(16.7%)であった.血流境界と腹膜反転部の距離は平均12.1cm.血流境界を認めたすべての症例で肉眼的に血流境界部位の特定は困難であった.【結語】RS付近に辺縁動脈の血流吻合が全くない症例が存在した.このような症例でS-Pointを介する血流を処理した場合,腸管切離部位を誤ると吻合部腸管が血流不全に陥る可能性がある. |
索引用語 | ICG, Sudeck |