セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-基礎研究 1

タイトル 外P-517:

LED光照射による細胞制御に関する検討

演者 松本 規子(徳島大・消化器・移植外科)
共同演者 島田 光生(徳島大・消化器・移植外科), 栗田 信浩(徳島大・消化器・移植外科), 岩田 貴(徳島大・消化器・移植外科), 佐藤 宏彦(徳島大・消化器・移植外科), 吉川 幸造(徳島大・消化器・移植外科), 宮谷 知彦(徳島大・消化器・移植外科), 柏原 秀也(徳島大・消化器・移植外科), 高須 千絵(徳島大・消化器・移植外科)
抄録 【背景】光を利用した光線力学診治療は,低侵襲療法として有用性が期待される.またLED(light emitting diode)は,波長や強度を自由に設定可能であり,光源として普及しつつある.大腸癌細胞に特定の波長のLED光を照射することによって,細胞の増殖を制御し抗癌作用を発揮する可能性を報告した(第113回日本外科学会).癌細胞増殖の抑制,アポトーシス亢進が起きるという興味深い知見を得たので報告する.【方法】ヒト大腸がん細胞HT-29,HCT-116,マウス小腸細胞IEC-116,ヒト線維芽細胞2FO-C75をφ30mm,シャーレに5.0×104個播種した.LED照射装置にシャーレを載せ,上部よりLED照射を行った.中心波長465nm,525nm,635nmのLEDを用いて10分/日,5日間連続照射を行い,cell counting kit8で生細胞数を評価した.465nm光,5日照射後のHT-29細胞では,AnnexinV/PI染色によるアポトーシス,RT-PCRによるmRNA発現によってアポトーシス経路,MAPK経路,LC3によるautophagyの評価を行った.【結果】1.生細胞数:465nm光照射群は非照射群と比べHT-29は33%,ICT-116は37%であり細胞増殖は明らかに抑制された.IEC-6,2FO-C75の増殖抑制は軽度であり,525nm,635nm光照射では細胞増殖抑制効果は認めなかった.2.AnnexinV/PI:正常細胞は照射群40.7%,非照射群63.3%,アポトーシス細胞は照射群50.7%,非照射群0.08%でありアポトーシス亢進を認めた.3.mRNA発現:照射群では,caspase3,caspase8,JNK発現は上昇し内因性経路によるアポトーシス亢進を認めた.ERK発現は有意に抑制されており,ERK経路による細胞増殖は抑制されていた.LC3,caspase9発現の上昇は認めずautophagyや外因性経路によるアポトーシスの亢進は認めなかった.【結語】LED光は特定の波長(465nm)では,ヒト大腸がん癌細胞のアポトーシス亢進,増殖抑制効果を認め,癌細胞の増殖制御の可能性がある.
索引用語 大腸癌細胞, LED