セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-基礎研究 2

タイトル 外P-522:

Association of TrkB expression with clinicopathological and tumor budding in colorectal cancer

演者 田中 光司(三重大大学院・消化管・小児外科学)
共同演者 北嶋 貴仁(三重大大学院・消化管・小児外科学), 三枝 晋(三重大大学院・消化管・小児外科学), 志村 匡信(三重大大学院・消化管・小児外科学), 近藤 哲(三重大大学院・消化管・小児外科学), 奥川 喜永(三重大大学院・消化管・小児外科学), 問山 裕二(三重大大学院・消化管・小児外科学), 沖上 正人(三重大大学院・消化管・小児外科学), 川本 文(三重大大学院・消化管・小児外科学), 廣 純一郎(三重大大学院・消化管・小児外科学), 井上 靖浩(三重大大学院・消化管・小児外科学), 荒木 俊光(三重大大学院・消化管・小児外科学), 内田 恵一(三重大大学院・消化管・小児外科学), 毛利 靖彦(三重大大学院・消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大大学院・消化管・小児外科学)
抄録 【背景】:癌細胞におけるtropomyosin-related kinase B (以下TrkB)発現は,食道癌の治療抵抗性と関連し,大腸癌の上皮間葉移行と関連し,胃癌の癌進展及び予後と関連することを報告してきた.今回,大腸癌におけるTrkB発現をwhole-section免疫染色で評価し,臨床病理学的因子及びtumor buddingとの関連について検討した.【対象と方法】:2006年~2011年に当科で切除した大腸癌306例を対象とした.切除標本のホルマリン固定パラフィン包埋切片を抗TrkB抗体(R&D Systems,希釈1:100)を用い免疫組織染色を行った.大腸癌細胞の細胞質におけるTrkBの発現強度及びその割合を癌中央部と癌先進部に分けて評価した.TrkB発現スコアと臨床病理学的因子及びtumor buddingとの関連について検討した.【結果】:癌中央部のTrkBは高~中分化型のほうが低分化型より有意に高発現していたが(p=0.02),その他の臨床病理学的因子との関連は認めなかった.癌先進部のTrkBは高~中分化型のほうが低分化型より有意に高発現し(p=0.03),tumor budding-grade2/3のほうがgrade0/1より有意に高発現していた(p=0.04).その他の臨床病理学的因子との関連は認めなかった.癌中央部,癌先進部のTrkB発現と予後(overall survival, disease free survival)との関連は認めなかった.癌中心部と比べて癌先進部の方のTrkB発現が増強している群 (以下margin+群)は,壁深達度(p=0.02),脈管侵襲(p=0.01),tumor budding(p=0.01),遠隔転移(p=0.02)と関連していた.margin+群と予後との関連は認めなかった.【結論】:大腸癌における癌先進部におけるTrkB発現増強は,tumor buddingや遠隔転移と関連し,TrkBが腫瘍進展に関与している可能性が示唆された.
索引用語 大腸癌, tumor budding