セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
大腸-基礎研究 2
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タイトル |
外P-523:MSI-H大腸癌はthmydine phosphorylaseを高発現するがdihydropyrimidine dehydrogenaseの発現はMSS大腸癌と差はない
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演者 |
辻 孝(済生会長崎病院・外科) |
共同演者 |
中越 享(済生会長崎病院・外科), 地引 政晃(済生会長崎病院・外科), 久野 博(済生会長崎病院・外科), 野川 辰彦(済生会長崎病院・外科), 澤井 照光(長崎大・保健学科), 永安 武(長崎大・腫瘍外科) |
抄録 |
【目的】大腸癌組織において5-FU代謝関連酵素であるdihydropyrimidine dehydrogenase(DPD)とthmydine phosphorylase(TP)の発現とmicrosatelite instability(MSI) phenotypeとの関連を検討した.【対象と方法】1991年から2001年に当大学腫瘍外科にて手術を受けた散発性大腸癌174例の新鮮凍結標本を対象とした.MSIの判定はBethesda guideline(Cancer Res 58:5248, 1998)に準拠した.腫瘍内DPD, TP発現量はELISAにて測定(Unit/mg protein)し,各々の症例でTP/DPD比も算出した.【結果】MSI-H 13例(7.5%),MSI-L 8例(4.6%),MSS153例(87.9%).以下の解析はMSI-H v.s. MSSで施行.MSI-Hでは右側大腸・低分化腺癌が高率である(P<0.01).DPD発現はMSI-HとMSSで差を認めない(59.9±31.1 vs 56.0±41.0, P=0.53).TP発現,TP/DPD比はMSI-Hが高値である(TP, 160.1±104.0 vs 97.3±53.7, P<0.01; TP/DPD比, 3.04±1.62 vs 2.07±1.08, P<0.01).TPおよびTP/DPD比の中央値をcut-offとし,Logistic解析にてMSI-Hは,TP高発現およびTP/DPD比高値の独立した因子であった.【結論】MSI-H大腸癌では,MSS大腸癌に比して5-FU anabolic enzymeの1つであるTPが高発現である.DPD発現に関してはMSI-HとMSS大腸癌に差を認めない. |
索引用語 |
MSI, thmydine phosphorylase |