セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-症例 4

タイトル 外P-544:

直腸癌術後の転移性心腫瘍の一例

演者 知念 順樹(那覇市立病院・外科)
共同演者 仲宗根 尚子(那覇市立病院・外科), 知花 朝史(那覇市立病院・外科), 平良 済(那覇市立病院・外科), 金城 泉(那覇市立病院・外科), 宮里 浩(那覇市立病院・外科), 友利 寛文(那覇市立病院・外科)
抄録 症例:50歳代の女性.現病歴:子宮腺筋症,月経過多で当院産婦人科に紹介となり,その際の画像検査にて直腸癌が疑われ,精査の結果,直腸癌と診断した.2012年4月に,直腸癌に対して,低位前方切除術,D3郭清,子宮摘出術を行った.術後病理組織検査でStageΙΙΙaとなり,術後補助化学療法としてカペシタビンの内服を行った.3コース終了後の検査で腫瘍マーカーの再上昇を認めたため,画像検査を施行し,右心室腹側に1.5cm大の腫瘤を認め,精査を施行した.血液検査所見:低位前方切除術前の腫瘍マーカーは,CEA 4.8 ng/ml,CA19-9 128.9 U/mlであった.直腸癌切除後の腫瘍マーカーはCEA 2.9 ng/ml,CA19-9 38.9 U/ml,カペシタビン3コース終了後はCEA 6.8 ng/ml,CA19-9 61.5 U/mlであった.胸腹部造影CTで,右心室腹側に1.5cm大の腫瘤を認めた.その他,明らかな再発所見はなかった.心エコー検査で心筋に密に接していた.FDG-PETで右心室腹側の1.5cmの腫瘤部位にSUV max 10.1の集積を認めた.転移性心腫瘍と強く疑い,化学療法を行い,他の遠隔転移のないことを確認した後,切除を行う方針とした.2012年9月より,mFOLFOX6を4コース施行した.1ヵ月の休薬の後,2012年12月,他院心臓外科にて右心腫瘍切除術を施行した.病理組織検査で腺癌の転移と診断した.術後1ヵ月の腫瘍マーカーはCEA 2.6 ng/ml,CA19-9 17.7 U/mlと低下した.現在,術後補助化学療法としてmFOLFOX6を継続中である.比較的稀な直腸癌術後の転移性心腫瘍の一例を経験したので,文献的考察をふまえ報告する.
索引用語 直腸癌, 心転移