共同演者 |
濱田 円(広島市民病院・外科), 坂本 修一(広島市民病院・外科), 桂 佑貴(広島市民病院・外科), 加藤 卓也(広島市民病院・外科), 濱岡 道則(広島市民病院・外科), 三宅 聡一郎(広島市民病院・外科), 三好 永展(広島市民病院・外科), 藤原 康宏(広島市民病院・外科), 丁田 泰宏(広島市民病院・外科), 金澤 卓(広島市民病院・外科), 原野 雅生(広島市民病院・外科), 松川 啓義(広島市民病院・外科), 小島 康知(広島市民病院・外科), 塩崎 滋弘(広島市民病院・外科), 大野 聡(広島市民病院・外科), 岡島 正純(広島市民病院・外科), 二宮 基樹(広島市民病院・外科) |
抄録 |
症例は70歳台の男性.2000年9月,Rs直腸癌に対して直腸低位前方切除術,D3郭清を施行した.術後病理所見は,Rs, Type2, 3.8×5.0cm, tub2, SE, N2(#251 6個,#252 1個), v1, ly2, H0, P0, M0, fStageIIIb(大腸癌取り扱い規約第7版)であり,術後補助化学療法としてカルモフール300mg/body/day内服を1年間施行.術後5年間経過観察されていたが無再発であった.2010年9月,腹痛を主訴に他院で腹部CTを施行し,腹部大動脈左側に23×15mmの軟部陰影を指摘,当院紹介となった.Follow up CTで増大傾向であり,2012年6月には腹部CT上36×30mm,MRIではT1 low,T2 low,high混在のintensityであり,FDG/PETでは同部位にSUVmax 6.8の集積を認めた.大腸癌傍大動脈リンパ節再発の術前診断のもと2012年9月に腫瘍摘出術を施行した.術中所見では,腫瘍は前回の直腸癌手術時の下腸間膜動脈根部の結紮切離部の近傍に存在した.術後病理所見では大腸癌の後腹膜線維脂肪織およびリンパ節再発と診断された.現在術後化学療法なく外来通院中である.大腸癌根治術後5年以上を経過しての再発は稀であり,全再発の0.63%とされ,またこれらの再発病変に対する摘出後の予後は比較的良好と報告されている.本症例に対して文献的考察を加えて報告する. |