セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-症例 5

タイトル 外P-549:

潰瘍性大腸炎に合併し,直腸腺癌と直腸Neuroendocrine tumor G1が混在する腫瘍1例

演者 山崎 信義(国立がん研究センター東病院・大腸外科)
共同演者 小嶋 基寛(国立がん研究センター東病院・臨床開発センター・臨床腫瘍病理部), 池田 公治(国立がん研究センター東病院・大腸外科), 柵山 尚紀(国立がん研究センター東病院・大腸外科), 河野 眞吾(国立がん研究センター東病院・大腸外科), 菅野 伸洋(国立がん研究センター東病院・大腸外科), 西澤 雄介(国立がん研究センター東病院・大腸外科), 小林 昭広(国立がん研究センター東病院・大腸外科), 伊藤 雅昭(国立がん研究センター東病院・大腸外科), 杉藤 正典(国立がん研究センター東病院・大腸外科), 齋藤 典男(国立がん研究センター東病院・大腸外科)
抄録 【緒言】直腸腺癌と直腸Neuroendocrine tumor (NET) G1とが合併した症例の報告は散見されるが,その中で同一腫瘍内に存在した症例は非常に稀である.また,潰瘍性大腸炎にNET G1が合併することも稀である.【症例】78歳男性.70歳時に潰瘍性大腸炎(全大腸炎型)を指摘された.メサラジンおよびプレドニゾロン5mgの内服で寛解状態にあった.フォローアップの大腸内視鏡にて,AV 7cmの直腸Rbに腫瘍を認めた.腫瘍は1.5cm大の0-IIa+IIc病変であり,EMRを試みたが,non-lifting sign陽性であり,手術目的に当科紹介受診となった.術前生検の結果は高分化型腺癌であった.【手術】ハイリスク症例であり,経肛門的局所切除術を施行した.術後経過は良好で第10病日に退院した.【病理組織診断】腫瘍は表層から2500μmまでの浸潤を認めた.不規則な管状構造を呈する高分化型腺癌を主体としたが,腫瘍辺縁の粘膜下層に2.0×0.7mm大の好酸性で索状・胞巣状に増殖する部位を認めた.免疫染色を施行すると,Chromogranin A (+), CD56(+), MIB- <2%であり,同部位はNET G1であると診断した.NETの領域は30%に満たず病理診断はTubular adenocarcinoma, tub1, with NET G1 component, pSM (2500μm), ly0, v0, ne0, pHM0, pVM0, pNX, cM0, pStage Iであった.【考察】今回我々は,全大腸炎型潰瘍性大腸炎に合併し,腺癌とNeuroendocrine tumor G1が併存した症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.
索引用語 直腸癌, 直腸神経内分泌腫瘍