セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
大腸-症例 5
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タイトル |
外P-550:大腸癌術後にPET偽陽性を呈し再発を疑ったSchloffer腫瘍の2例
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演者 |
太田 裕之(国保小松市民病院・外科DELIMITER滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科) |
共同演者 |
望月 慶子(国保小松市民病院・外科DELIMITER滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 塚山 正市(国保小松市民病院・外科), 藤岡 重一(国保小松市民病院・外科), 川浦 幸光(国保小松市民病院・外科), 園田 寛道(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 清水 智治(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 谷 徹(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科) |
抄録 |
【緒言】消化器手術において腹腔内で使用する吸収糸・非吸収糸と手術部位感染との関連性については未だに議論のあるところである.今回我々は大腸癌の術後経過中にPET検査で再発腫瘍を疑った非吸収糸(絹糸)が原因と考えられる異物肉芽腫(Schloffer腫瘍)の2例を経験した.【症例1】62歳,女性でS状結腸癌に対して高位前方切除術を施行した.StageIIIaのため経口抗癌剤による補助化学療法を術後6ヶ月間行った.術後8ヶ月に絞扼性イレウスをきたし小腸部分切除術を施行した.初回手術後2年のCTで大動脈分岐部にリンパ節再発を疑う腫瘤を認め,PET検査においても同部位にFDG集積を認めた.リンパ節再発の術前診断で,硬く腫大した腫瘤と一塊となった小腸間膜を含めて小腸部分切除術を施行した.病理診断では縫合糸による異物肉芽腫の診断であった.初回手術後4年間再発徴候を認めない.【症例2】77歳,女性で上行結腸癌と胆石症に対して結腸右半切除術および胆嚢摘出術を施行した.StageIIIaのため経口抗癌剤による補助化学療法を術後6ヶ月間行った.術後1年のCTにおいて肝S4に転移を疑う結節を認め,PET検査においても同部位にFDG集積を認めた.肝転移の術前診断で,肝S4部分切除術を施行した.病理診断では縫合糸による異物肉芽腫の診断であった.初回手術後1年6ヶ月を経過し再発徴候を認めていない.これまで腹腔内において非吸収糸である絹糸(Silk)は合成吸収糸であるVicrylに比して縫合糸膿瘍を起こしやすいとの報告がある一方で,手術部位感染の発生割合はVicryl群がSilk群より有意差はないものの高い値を示したとの無作為化第2相試験の結果が近年報告された.文献的考察を加えて本2症例を報告する. |
索引用語 |
手術部位感染, 縫合糸 |