セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-症例 5

タイトル 外P-552:

集学的治療により7年以上に亘り長期生存中のS状結腸癌・同時性多発性肝転移の1例

演者 高山 哲郎(仙台社会保険病院)
共同演者 天田 憲利(仙台社会保険病院), 織井 崇(昭和伊南総合病院・外科), 菊地 廣行(仙台社会保険病院), 小野寺 浩(仙台社会保険病院), 芳賀 泉(仙台社会保険病院), 戸子台 和哲(仙台社会保険病院)
抄録 症例は既往歴のない50歳男性で,平成17年10月にS状結腸癌・同時性多発性肝転移に対し他院にて結腸切除術のみ施行され,その後肝切除を希望し当科を受診.同年12月に肝部分切除術(14ヶ所・19病変)と肝動注ポート留置を施行.その後平成18年2月から現在に至るまでの約7年間に合計でFOLFIRI 6クール,肝動注(5FU/LV) 15クール,Bevacizumab+FOLFOX4 13クール,Bevacizumab+5FU/LV 22クール,UFT/LV内服 12クール,Panitumumab+FOLFIRI 12クール,Bevacizumab+FOLFIRI 13クール施行.途中,平成20年7月と平成23年5月の2回,異時性肝転移に対し肝部分切除術(S1・S2・S8)を施行.また患者本人の希望にて化学療法と平行して平成24年4月より樹状細胞ワクチン療法を開始.平成24年6月のCTにて再び異時性肝転移(S1)を認めたが,4回目の肝切除適応は無く,同部に放射線を計40Gy照射したところ,転移巣は縮小し腫瘍マーカーも減少した.オキサリプラチンの末梢神経障害はGrade 2以下でコントロール良好であったが,14回目の投与にてアナフィラキシーショックを発症してしまったため,現在はPerformance status 0~1を維持しながらBevacizumab+FOLFIRI療法を継続中である.分子標的薬を中心に大腸癌化学療法の進歩は近年めざましく,多発性肝転移を有する症例でもR0を目指した積極的な外科切除と化学療法を組み合わせることにより長期生存が期待できる時代となっている.今回,外科手術・化学療法・放射線療法などの集学的治療を駆使して,PSを保ちながら7年以上に亘り長期生存中の症例を経験したので報告する.
索引用語 多発性肝転移, 集学的治療