セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-診断 1

タイトル 外P-555:

FDG-PETの膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)における診断能と外科切除例における予後予測能について

演者 岡田 恭穂(東北大病院・肝胆膵外科)
共同演者 元井 冬彦(東北大病院・肝胆膵外科), 水間 正道(東北大病院・肝胆膵外科), 畠 達夫(東北大病院・肝胆膵外科), 川口 桂(東北大病院・肝胆膵外科), 青木 豪(東北大病院・肝胆膵外科), 藪内 伸一(東北大病院・肝胆膵外科), 深瀬 耕二(東北大病院・肝胆膵外科), 坂田 直昭(東北大病院・肝胆膵外科), 林 洋毅(東北大病院・肝胆膵外科), 中川 圭(東北大大学院・統合がん治療外科学), 吉田 寛(東北大病院・肝胆膵外科), 内藤 剛(東北大病院・肝胆膵外科), 片寄 友(東北大大学院・統合がん治療外科学), 海野 倫明(東北大大学院・消化器外科学)
抄録 【はじめに】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN) は2012年国際ガイドライン改訂によって診療方向性が改正され,標準的な手術方針が確認された.しかし手術施行にあたっては,専門家でも迷うことが少なくない.今回我々はFDG-PETの外科手術例における悪性度診断能と予後予測との相関を検討した.【対象と方法】当科における1988年1月から2013年1月までのIPMN根治切除術施行164例を対象とした.うち79例(男性48例,女性31例,手術時平均年齢66.1歳,主膵管型:混合型:分枝型=11:22:46)で術前PETが施行された.過去の文献からSUVmaxのCut-off値を2.5と設定した.臨床・病理学的所見とPET所見との相関に関して検討し,術前PET診断の意義を抽出した.なお信頼度が低い血糖コントロール不良例は2例のみであった.【結果】浸潤癌+非浸潤癌検出目的としてのPET検査は感度59.6%,特異度76.2%,陽性反応的中度87.2%,陰性反応的中度41.0%であった.SUVmax値は術前CA19-9値(p=0.02),浸潤癌(p=0.01)と相関を示した.術後生存期間もPET陽性群が悪かった(p=0.003, Logrank test).他部位集積を認めたのは28例(35.4%)だが所属リンパ節・遠隔転移は指摘されなかった.同時性癌合併は9例存在したが,PET検査での指摘は胃癌の1例のみであった.残膵再発とも相関は見られなかった.【考察】SUVmaxの値は悪性度や術後生存期間と一定の相関を示し,手術適応を含む治療方針を決定する重要な要素となり得る.また,膵癌と比較して血糖コントロール不良例が少なくSUVmax値の結果精度も高い.一方本母集団では同時性癌は早期癌が多く,PETのみでの検出能は低かった.またPPVが高いため,PETで高集積を示した場合は癌の可能性が高いが,感度は低く他のモダリティと組み合わせて診断する必要がある.
索引用語 膵管内乳頭粘液性腫瘍, FDG-PET