セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)膵臓-診断 1 |
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タイトル | 外P-557:IPMN切除症例におけるMUC1発現と予後の関連 |
演者 | 吉岡 伊作(富山大・消化器・腫瘍・総合外科) |
共同演者 | 澤田 成朗(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 松井 恒志(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 大村 哲也(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 森山 亮仁(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 関根 慎一(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 渋谷 和人(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 橋本 伊佐也(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 北條 荘三(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 奥村 知之(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 吉田 徹(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 長田 拓哉(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 塚田 一博(富山大・消化器・腫瘍・総合外科) |
抄録 | <はじめに>ムチンは上皮細胞を覆い粘膜表面を保護する役割や食物その他の通過を促す他に細胞膜に結合しシグナル伝達により増殖,分化,アポトーシス等にも関連している.ムチンのコア蛋白をMUCと呼びこれまでにMUC1-9,11-13,15-21が同定されている.今回膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)におけるMUC1発現が腫瘍進展や予後と関連しているのかを目的として臨床病理学的に検討した. <対象,方法>1997-2010年までに当科で切除したIPMN 17例(IPMA 8例,non-invasive IPMC4例,invasive IPMC 5例)について組織マイクロアレイを作製し,MUC1を免疫染色した.これらの発現と臨床病理学的な因子につき解析した. <結果>IPMN切除例17例中の術式はPPPDもしくはPD12例,DP4例,TP1例.MUC1発現陽性症例は5例,陰性は12例であった.MUC1陽性症例の嚢胞径,主膵管径,壁在結節径はそれぞれ平均で41.7mm,6.5mm,8.4mm,MUC1陰性症例の嚢胞径,主膵管径,壁在結節径はそれぞれ平均で32.8mm,6.1mm,6.5mmでMUC1陽性症例で大きい傾向があったが有意な差は認めなかった.しかしながらIPMA 8例中MUC1陽性は認めず,non-invasive IPMC 4例中1例でMUC1陽性,invasive IPMC 5例中4例でMUC1陽性であり腫瘍の悪性度が高めるにつれてMUC1が発現する傾向を認めた(p=0.04).またMUC1陽性症例では有意に予後不良であった(五年生存率,MUC1+/-; 40%/100%, p=0.04). <結語>IPMNにおいてMUC1発現は予後不良因子であり文献的考察を加え報告する. |
索引用語 | IPMN, MUC1 |