セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-診断 1

タイトル 外P-560:

IPMN新ガイドライン妥当性の検討

演者 木下 正一(奈良県立医大・消化器・総合外科)
共同演者 庄 雅之(奈良県立医大・消化器・総合外科), 山田 高嗣(奈良県立医大・消化器・総合外科), 野見 武男(奈良県立医大・消化器・総合外科), 赤堀 宇広(奈良県立医大・消化器・総合外科), 山戸 一郎(奈良県立医大・消化器・総合外科), 北東 大督(奈良県立医大・消化器・総合外科), 尾原 伸作(奈良県立医大・消化器・総合外科), 長井 美奈子(奈良県立医大・消化器・総合外科), 西和田 敏(奈良県立医大・消化器・総合外科), 金廣 博文(奈良県立医大・消化器・総合外科), 中島 祥介(奈良県立医大・消化器・総合外科)
抄録 【目的】IPMN国際ガイドライン第2版に準じて切除適応を行った場合のリスク別悪性割合を明らかにし, 適応の妥当性を検討した. 【対象/方法】2008年から2012年まで, 手術施行のIPMN45例. 術前画像を再評価し, 新ガイドラインに準じて主膵管型(MD), 分枝型(BD), 混合型に分類. BD, 混合型は診療方針アルゴリズムに従い, high-risk stigmata(HR) , worrisome features(WF), 経過観察(CW)群に層別化して検討した.【結果】分類はMD/BD/混合型が各々10/23/12例. 年齢は各々67.5/73.5/67歳. 部位は頭部, 体尾部が各々3,6/19,3/9,3例であった.悪性は, MDで6例(60%), BDおよび混合型で8例(32%)であった. (i)BDおよび混合型の臨床所見:HR/WF/CWが各々9/21/7例であった. 嚢胞径は各々25/35/23mm. 嚢胞内結節は各々8(89%)/2(9%)/2(29%)例. 嚢胞壁肥厚は各々5(56%)/8(38%)/1(14%)例. 膵管径は各々6/4/4.5mm. 術前膵炎は各々3(33%)/2(9%)/1(14%)例. (ii)悪性度:リスク分類別の悪性はMD/HR/WF/CWが各々6(60%)/5(56%)/3(14%)/0例であった. 浸潤癌は各々2(20%)/3(33%)/1(5%)/0例であった. (iii)BDおよび混合型の悪性例の臨床所見:悪性例では主膵管径中央値が7(3-21)mmと, 良性の4(2-7)mmに比して有意に大きかった(P=0.0013). 造影される結節は4例(50%)と, 良性の4例(16%)に比して有意に高率であった(P=0.025). 術前膵炎は3例(38%)と, 良性の3例(11%)に比して有意に多かった(P=0.041).【まとめ】悪性例において, 高リスク因子である膵管拡張, 壁在結節の高い頻度を確認した. 嚢胞壁肥厚, 術前膵炎はWF群の因子であるが, 今回の検討では比較的高リスクの因子であった. 層別化による悪性リスクが高いほど, 病理学的にも悪性の割合が高かった. また, 観察群に悪性例は含まれなかった. 【結語】新ガイドラインBD-IPMN診療方針アルゴリズムにより, 臨床所見が病理結果に良好に反映されており, 高い有用性が確認された.
索引用語 IPMN, ガイドライン