セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-診断 2

タイトル 外P-564:

国際診療ガイドライン(2012年版)に基づいたIPMNに対する手術適応基準の検証

演者 福本 和彦(磐田市立総合病院・消化器外科)
共同演者 鈴木 昌八(磐田市立総合病院・消化器外科), 落合 秀人(磐田市立総合病院・消化器外科), 松本 圭五(磐田市立総合病院・消化器外科), 稲葉 圭介(磐田市立総合病院・消化器外科), 深澤 貴子(磐田市立総合病院・消化器外科), 宇野 彰晋(磐田市立総合病院・消化器外科), 神藤 修(磐田市立総合病院・消化器外科), 鳥居 翔(磐田市立総合病院・消化器外科), 村上 智洋(磐田市立総合病院・消化器外科), 嘉山 貴文(磐田市立総合病院・消化器外科), 北村 宏(磐田市立総合病院・消化器外科)
抄録 【目的】2012年に改訂されたIPMN/MCN国際診療ガイドライン(以下,新GL)の手術適応基準がより明確な基準となった.特に分枝型IPMNに対する治療方針アルゴリズムではhigh-risk stigmata(閉塞性黄疸を来す膵頭部嚢胞, 造影される充実性成分, 主膵管径≧10mm)やworrisome feature(嚢胞径≧3cm, 造影される壁肥厚, 主膵管径5-9mm, 造影効果のない壁在結節, 尾側の閉塞性膵炎を伴う主膵管狭窄)といった臨床的特徴の重み付けがなされた.本研究の目的は当院のIPMN手術症例を新GLの基準に則り再検討することである.【方法】診療録,データベースからの後方視研究.2007年3月~2013年3月までの6年間でIPMNがあり手術となった20症例を対象に臨床病理学的因子を集計した.IPMN分類ではMD:混合型:BD=2例 :8例 :10例.新GLのhigh-risk stigmataを満たす症例をH群,worrisome featureを満たし手術となった症例をW群,いずれも満たさない症例をN群として分類した.【成績】男女比=13:7.年齢 42-84(中央値68)歳. 術式ではDP 10例,PD(PpPDも含む)7例,膵全摘3例(うち1例は残膵全摘)観察期間は0-70(中央値17)月.病理学的所見は腺腫:非浸潤癌:浸潤癌=5:13:2.併存する癌は胃癌2例,膵癌2例,肺癌1例であり全例癌も含めた切除を行った.H群:W群:N群=3:16:1.N群の1例は嚢胞径22mm主膵管径4mmであったが胃癌併存のため切除となった.20例中再発を認めた症例は4例.2例は膵癌併存症例でともに癌死している.1例は切除断端陽性の浸潤癌,残りの1例は非浸潤癌であったが,術後24月目に肝外側区域に転移巣を認めゲムシタビン療法にて縮小し57月目の現在も生存中である.【結論】新GLでも自験例の20例中19例(95%)はアルゴリズムに従い手術適応となった.IPMNの手術においては併存癌が術式決定や予後に影響を与えるため,診断および経過観察に注意を要する.
索引用語 IPMN, 手術適応基準