セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-診断 3

タイトル 外P-567:

膵管癌の切除不能予測因子に関する解析

演者 岡田 健一(和歌山県立医大・2外科)
共同演者 谷 眞至(和歌山県立医大・2外科), 川井 学(和歌山県立医大・2外科), 廣野 誠子(和歌山県立医大・2外科), 宮澤 基樹(和歌山県立医大・2外科), 清水 敦史(和歌山県立医大・2外科), 北畑 裕司(和歌山県立医大・2外科), 上野 昌樹(和歌山県立医大・2外科), 速水 晋也(和歌山県立医大・2外科), 重河 嘉靖(和歌山県立医大・2外科), 山上 裕機(和歌山県立医大・2外科)
抄録 【背景】膵臓癌は外科的切除が最も有効な治療であるが,その切除率は低い.【目的】膵管癌の切除不能予測因子を明らかにすること.【対象】2009年6月から2012年10月までに当科に紹介され,最終的に病理組織診で管状腺癌,浸潤性膵管癌,IPMN由来浸潤癌と診断された連続200例.【方法】初診時臨床的項目(年齢,性別,症状の有無,腫瘍の占拠部位,腫瘍サイズ),腫瘍マーカー(CEA,CA19-9,DUPAN-2,CA 125)についてretrospectiveに検討した.【結果】初診時MD-CT,腹部超音波検査にて60例(30%)が切除不能と診断された(局所進行15例,遠隔転移45例).その他140例が切除可能,Borderline resectableと診断され,2例に術前腹腔鏡検査で腹膜転移を認め,術前化学(放射線)療法を施行した24例中2例に治療後再ステージング検査で肝転移と原発巣の局所切除不能への進行を認めた.外科的切除が予定された136例(68%)中,19例(9.5%)に微小転移(腹膜・肝)が発見された.切除不能性に関する単変量解析の結果,有症状,腫瘍サイズ3cm以上,CEA高値,DUPAN-2高値,CA 125高値が予測因子に同定され,多変量解析の結果,腫瘍サイズ3cm以上(p=0.002),DUPAN-2高値(p=0.013),CA 125(p<0.001)高値が独立した予測因子であった.3項目陽性は,切除不能性の予測感度が最も高かった(78.8%).3項目陽性は,6例(40%)の腹膜転移症例,14例(35%)の肝転移症例,5例(71.4%)の肺転移症例,9例(50%)の傍大動脈リンパ節転移症例に認められた.【考察・結論】浸潤性膵管癌の患者で,腫瘍サイズ3cm以上,DUPAN-2高値,CA 125高値の3項目陽性の患者は切除不能の可能性が高く,腹腔鏡検査や造影MRI,PET/CTなどを追加して精査されるべきである.
索引用語 膵管癌, 切除不能