セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-診断 3

タイトル 外P-568:

MDCTを用いた膵癌の動脈周囲神経叢進展の評価

演者 青木 修一(東北大病院・肝胆膵外科)
共同演者 元井 冬彦(東北大病院・肝胆膵外科), 水間 正道(東北大病院・肝胆膵外科), 岡田 恭穂(東北大病院・肝胆膵外科), 中川 圭(東北大病院・肝胆膵外科), 林 洋毅(東北大病院・肝胆膵外科), 森川 孝則(東北大病院・肝胆膵外科), 大塚 英郎(東北大病院・肝胆膵外科), 坂田 直昭(東北大病院・肝胆膵外科), 乙供 茂(東北大病院・肝胆膵外科), 深瀬 耕二(東北大病院・肝胆膵外科), 藪内 伸一(東北大病院・肝胆膵外科), 青木 豪(東北大病院・肝胆膵外科), 川口 桂(東北大病院・肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大病院・肝胆膵外科), 内藤 剛(東北大病院・肝胆膵外科), 片寄 友(東北大大学院・統合がん治療外科学), 江川 新一(東北大災害科学国際研究所・災害医療国際協力学), 海野 倫明(東北大病院・肝胆膵外科DELIMITER東北大大学院・統合がん治療外科学)
抄録 【背景】動脈への神経叢進展は膵癌のresectabilityに関与する重要な因子であるが,術前治療前後の画像上の変化は不明な点が多く,自験例をもとに検討した.【対象】2006年から2012年までに術前治療後の膵癌切除103例のうち,MDCTで術前に主要動脈周囲の神経叢進展を認めた21例.術前治療は化学療法が16例(GEM:2例,GEM+S-1:14例),化学放射線療法5例であった.術式はPD9例,DP1例,DP-CAR7例,TP4例で,全例にR0/1切除を施行した.【方法】MDCT軸位断で,軟部陰影が動脈血管壁に接する範囲の中心角を測定しA angleとした(123.4, (74.6,211.5)).*median(IQR) 単位°1,病理学的PL診断(pPL)と治療前 A angle,治療後 A angleとの関係をそれぞれ検討した.2,術前治療の病理学的効果判定を示す大星・下里分類(0,I,IIa/IIb),腫瘍マーカー低下/上昇群,術前放射線療法の有/無で治療前後のA angleの推移を比較検討した.【結果】1, pPL+はpPL-に比して治療前のA angleが有意に大きかったが(p=0.036,pPL-n=9):91.5(49.8,155.7),pPL+(n=16):213.6(85.9,287.2)),治療後のA angleでは有意差を認めなかった.2,治療前後でA angleが20%以上縮小は5例,20%以上増加は7例,変化なしが9例であった.治療前後のA angleの推移は,大星・下里分類(I,IIa/IIb)と相関した(p<0.01)が腫瘍マーカー推移(p=0.69)や放射線療法の有無(p=0.34)とは相関しなかった.【考察】動脈周囲神経叢の画像上の変化は,腫瘍の組織学的治療効果と相関し,神経叢の治療効果を反映している可能性はある.しかし,治療後の画像所見とpPLに相関は認めず,治療後の画像所見は治療による何かしらの修飾を見ていると思われる.術前治療後の神経叢進展の評価には,治療後の所見のみではなく治療中の経過を含めた総合的な評価が必要になる.
索引用語 膵癌, 術前治療