セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-診断 3

タイトル 外P-571:

膵癌との鑑別を要した自己免疫性膵炎の検討

演者 浅利 貞毅(神戸大・肝胆膵外科)
共同演者 松本 逸平(神戸大・肝胆膵外科), 新関 亮(神戸大・肝胆膵外科), 後藤 直大(神戸大・肝胆膵外科), 椋棒 英世(神戸大・肝胆膵外科), 白川 幸代(神戸大・肝胆膵外科), 田中 正樹(神戸大・肝胆膵外科), 山下 博成(神戸大・肝胆膵外科), 石田 潤(神戸大・肝胆膵外科), 岩崎 寿光(神戸大・肝胆膵外科), 岡崎 太郎(神戸大・肝胆膵外科), 武部 敦志(神戸大・肝胆膵外科), 高橋 応典(神戸大・肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大・肝胆膵外科), 味木 徹夫(神戸大・肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大・肝胆膵外科), 具 英成(神戸大・肝胆膵外科)
抄録 【背景・目的・方法】2009年自己免疫性膵炎 (AIP)診断ガイドラインの改訂以降,病変部位が限局したAIPが多く診断されるようになった.AIPと膵癌 (PC)との鑑別は常に重要である.自験例8例の診断および治療につき検討を行い,PCとの鑑別点を明らかにする.【成績】全例が男性で平均年齢は70.4歳.1) 初発症状・診断契機:黄疸4例,上腹部痛2例,USで腫瘤像1例,高アミラーゼ血症1例.2) 血液検査・膵内外分泌機能検査:高IgG4血症8例.RFはすべて陰性,抗核抗体陽性1例.PFD試験は正常4例,低下1例.耐糖能異常2例.3) 膵外病変:顎下腺腫大2例,縦隔リンパ節腫大1例.4) 膵実質所見:頭部限局性腫大2例,限局性腫瘤5例 (頭部2例,体部2例,尾部2例).5) 主膵管所見:頭部限局性狭細3例,び漫性狭細1例,体部限局性狭窄2例,尾部途絶1例.6) 下部胆管狭窄5例.7) 膵液細胞診:class II 4例,class III 2例.8) EUS-FNA:限局型5例に施行したが,いずれも確定診断に至らなかった.9) 脈管侵襲:脾静脈閉塞1例.10) 経過:6例をAIPと診断し,5例にステロイド投与を行った.限局性腫瘤を形成した5例中,2例は開腹生検で診断し得た.3例ではPCを否定できず膵体尾部切除2例,ステロイド投与後膵頭十二指腸切除1例を施行した.【結論】8例中7例が限局型でいずれもPCとの鑑別を要した.血清IgG4測定はAIPの補助診断に有用であった.画像検査,血清マーカー等を総合的に判断し,必要に応じて開腹生検を含む積極的な組織診断を行い,不要な膵切除を回避すべきである.
索引用語 自己免疫性膵炎, 膵癌