セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-手術治療 1

タイトル 外P-575:

腹腔鏡下尾側膵切除術における手術手技の注意点 -切離部位に着目して-

演者 後藤 直大(神戸大・肝胆膵外科)
共同演者 松本 逸平(神戸大・肝胆膵外科), 新関 亮(神戸大・肝胆膵外科), 浅利 貞毅(神戸大・肝胆膵外科), 椋棒 英世(神戸大・肝胆膵外科), 田中 正樹(神戸大・肝胆膵外科), 白川 幸代(神戸大・肝胆膵外科), 山下 博成(神戸大・肝胆膵外科), 石田 潤(神戸大・肝胆膵外科), 武部 敦志(神戸大・肝胆膵外科), 高橋 応典(神戸大・肝胆膵外科), 岡崎 太郎(神戸大・肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大・肝胆膵外科), 味木 徹夫(神戸大・肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大・肝胆膵外科), 具 英成(神戸大・肝胆膵外科)
抄録 背景)我々は2007年に膵良低悪性度腫瘍に対し腹腔鏡(補助)下尾側膵切除術を導入し段階的に術式を変更することで術式の定型化を図ってきた.尾側膵切除においては切離部位により膵実質の厚さや血管との位置関係が異なっている.目的)膵切離部による手術手技の注意点を明らかにすること.対象)2007年3月から2012年2月まで当科で経験した27例のうち,尾側膵切除(脾合併切除例)のうち,切離部位が膵頸部の症例:5例,切離部位が左側よりの症例:7例を手術ビデオで検証した .手術手技)膵切離には膵の厚さや部位に関わらず自動縫合器を使用している.膵が厚い場合,切離に先立ち腸鉗子で切離予定部をゆっくり2分間鋏み菲薄化した後,自動縫合器でゆっくり切離する.切離線は膵の長軸と垂直とし,自動縫合器1回で切離することを心掛けている.結果)膵頸部での切離:膵体部を受動していくと,背側から立ち上がる脾動脈の起始部を確認できるが,膵上縁側からも必ず確認する必要がある.SMV前面を剥離し膵のトンネリングを行い,SMV前面から左側・背側へ広く剥離をすすめ脾静脈流入部も十分剥離する.膵上縁において総肝動脈を剥離し,膵切離の際に巻き込まないようにする.脾動静脈の切離は膵切離に先行して行うと,膵が十分遊離され膵切離は容易となるが,血管切離にクリップを使用した場合は自動縫合器による巻き込みに十分注意する.膵左側での切離:切離予定部付近の脾動静脈と膵との剥離が困難な場合がある.脾動脈は中枢側で剥離後切離しているが,脾静脈は膵とともに自動縫合器で一括切離する.結語)術前のMDCTで腫瘍,脈管,切離予定部の解剖学的位置関係を十分把握し,脾動静脈切離部位,方法につき,個々の症例において術前に検討しておくことが重要と思われた.
索引用語 腹腔鏡下膵手術, 膵切離部位