共同演者 |
羽鳥 隆(東京女子医大・消化器外科), 鈴木 修司(東京女子医大・消化器外科), 大島 奈々(東京女子医大・消化器外科), 鈴木 隆二(東京女子医大・消化器外科), 君島 映(東京女子医大・消化器外科), 貝瀬 智子(東京女子医大・消化器内科), 塩賀 太郎(東京女子医大・消化器内科), 門前 正憲(東京女子医大・消化器内科), 長尾 健太(東京女子医大・消化器内科), 田原 純子(東京女子医大・消化器内科), 久保木 智子(東京女子医大・消化器内科), 高山 敬子(東京女子医大・消化器内科), 清水 京子(東京女子医大・消化器内科), 古川 徹(東京女子医大統合医科学研究所), 白鳥 敬子(東京女子医大・消化器内科), 山本 雅一(東京女子医大・消化器外科) |
抄録 |
【目的】膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN)はmalignant potentialを有するため手術適応となるが,本邦の集計では浸潤癌の頻度は3.9%に留まっており,縮小手術も選択可能と考えられる.そこでMCNの病理所見からみた術式選択について明らかにする目的で検討した.【方法】1983-2012年のMCN切除例50例(全例卵巣様間質あり)を対象に病理所見,術式選択,治療成績について検討した.【結果】全例女性で膵体尾部に発生し,平均年齢46.4歳であった.術式は尾側膵切除(DP)41例,脾温存DP 7例,膵中央切除(MP)2例であった.病理所見は,Low-grade dysplasia(LG) 43例,High-grade dysplasia(HG) 6例,Associated invasive carcinoma(IC) 1例で悪性の頻度は14%,浸潤癌は2%であった.平均腫瘍径は69mm(20-200)で,LG 67mm,HG 74mm,IC 100mm,壁在結節はLG5例(12%),HG 2例(33%),IC1例(100%)で,悪性度が高くなるにつれ腫瘍径が大きく壁在結節を認める傾向があった.リンパ節転移例はなく,癌再発死亡例も認めなかった.SPDPやMPといった縮小手術9例は全てLG例で,平均腫瘍径は34mm(20-45)と小さく,壁在結節がなく,脾静脈との剥離が容易な症例であった.【結語】MCNの基本術式はDPであるが,腫瘍径が30-40mm程度で壁在結節がなく,脾静脈との剥離が容易な例では,縮小手術が選択可能であると考えられた. |