セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-手術治療 3

タイトル 外P-583:

高齢膵癌患者に対する門脈合併膵頭十二指腸切除術の手術成績

演者 藤井 努(名古屋大大学院・消化器外科学)
共同演者 神田 光郎(名古屋大大学院・消化器外科学), 末永 雅也(名古屋大大学院・消化器外科学), 高見 秀樹(名古屋大大学院・消化器外科学), 山田 豪(名古屋大大学院・消化器外科学), 伊藤 武(名古屋大大学院・消化器外科学), 丹羽 由紀子(名古屋大大学院・消化器外科学), 間下 直樹(名古屋大大学院・消化器外科学), 小林 大介(名古屋大大学院・消化器外科学), 田中 千恵(名古屋大大学院・消化器外科学), 中山 吾郎(名古屋大大学院・消化器外科学), 杉本 博行(名古屋大大学院・消化器外科学), 小池 聖彦(名古屋大大学院・消化器外科学), 野本 周嗣(名古屋大大学院・消化器外科学), 藤原 道隆(名古屋大大学院・消化器外科学), 小寺 泰弘(名古屋大大学院・消化器外科学)
抄録 【背景・目的】高齢者の膵頭十二指腸切除術(PD)の適応に関する検討は散見されるが,より侵襲の大きい門脈合併切除までの検討はなされていない.当教室の門脈合併PDの手術成績を検討し,その妥当性について考察した.【対象】 2000年1月から2012年12月までの膵癌に対してPDを施行した272例.高齢(70歳以上)門脈切除(PVR+)群:47例,若年(70歳未満)PVR+群:117例,高齢PVR-群:43例,若年PVR-群:65例.各群における短期及び長期手術成績を比較検討.【結果】高齢群のPerformance statusスコアは若年群に比して有意に高く(P=0.003),基礎疾患の有病率も有意に高かった(P=0.003).PVR+群における手術時間,出血量などの術中因子,病理組織学的因子は,高齢群と若年群に差を認めず,膵瘻・心肺疾患などの術後合併症発生頻度にも有意差を認めなかった.術後在院期間中央値も有意差を認めなかった(35日 vs 35日).高齢PVR+群の術後補助化学療法の施行率は若年PVR+群に比して有意に低かったが(62% vs 82%,P=0.005),全生存期間中央値は有意差を認めなかった(11.2ヶ月 vs 14.9ヶ月).またこれは,同時期の高齢非切除膵癌症例(n=36,7.5ヶ月)よりも有意に予後良好であった(P=0.006).【結語】70歳以上の高齢膵頭部癌患者に対する門脈合併PDは安全に施行可能で,長期予後も若年者と同等であった.しかし本検討は後向き検討であり,手術適応決定の基準に関しては今後の検討課題である.
索引用語 高齢者, 膵頭十二指腸切除術