セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-手術治療 3

タイトル 外P-584:

膵全摘術症例の検討

演者 渡邉 光章(山梨大・1外科)
共同演者 川井田 博充(山梨大・1外科), 細村 直弘(山梨大・1外科), 雨宮 秀武(山梨大・1外科), 牧 章(山梨大・1外科), 河野 寛(山梨大・1外科), 松田 政徳(山梨大・1外科), 藤井 秀樹(山梨大・1外科)
抄録 【目的】膵全摘術は術後にインスリンの自己注射が必要となり,QOLが極端に低下することが知られている.しかし,腫瘍の占拠部位や浸潤範囲により膵全摘が必要となる症例がある.膵全摘症例と膵頭十二指腸切除術,膵体尾部切除術症例との手術侵襲,術後を比較検討した.【対象】2004年12月から2013年2月までに当科で施行した膵全摘術症例10例を対象とした.【結果】症例は男性7例,女性3例.平均年齢は66.1歳.疾患はIPMC(微小浸潤癌2例,浸潤癌2例),IPMA(Ph)+IPMC(Pt)1例,浸潤癌5例.膵全摘術選択の理由は術中迅速病理診断で膵断端陽性により術式変更した症例が7例,術中エコー所見で術式変更した症例が1例,予定通り施行した症例が2例.平均手術時間は551±26分,出血量1222±178ml.リンパ節郭清はD1  4例,D2  6例.術後平均在院日数33±6日.術後は全ての患者でインスリンの自己注射が必要となった.低血糖を認めた症例は4例.術後合併症は1例(門脈血栓)に認めた.下痢を認めた症例は1例(grade2)であった.手術時間,出血量,術後平均在院日数は,膵頭十二指腸切除術,膵体尾部切除術症例と比較すると有意な差は認めなかった.【結語】膵全摘術は術後にQOLが低下することが知られているが,R0が得られるなら有効な選択肢と思われる.
索引用語 膵臓, 全摘