セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
膵臓-手術治療 3
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タイトル |
外P-587:Borderline resectable膵癌切除例の検討
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演者 |
矢澤 直樹(東海大・消化器外科) |
共同演者 |
中郡 聡夫(東海大・消化器外科), 今泉 俊秀(東海大東京病院・外科), 飛田 浩輔(東海大八王子病院・外科), 古川 大輔(東海大・消化器外科), 和泉 秀樹(東海大・消化器外科), 山室 博(東海大・画像診断科), 小澤 壯治(東海大・消化器外科), 貞廣 莊太郎(東海大・消化器外科), 安田 聖栄(東海大・消化器外科), 猪口 貞樹(東海大・救命救急医学) |
抄録 |
【背景】当科では2011年9月までBorderline resectable (以下,BR) 膵癌の多くを手術先行で治療していた.【目的】BR膵癌切除例の臨床病理学的特徴および治療成績を明らかにする.【対象】2006年1月から2011年9月までに切除された浸潤性膵管癌183例のうち,術前化学療法例3例,切除可能性の判定不能例5例,特殊型膵癌9例を除いた166例.【方法】内腔狭窄を伴うSMV/PV浸潤,肝動脈に至る胃十二指腸動脈根部のencasement,肝動脈への腫瘍の隣接,SMAに腫瘍が半周以下の範囲で接している,いずれかの所見を認めるものをBR膵癌と定義した.術前MDCT所見によりR群134例とBR群32例の2群に分けて,臨床病理学的因子を比較検討した.予後因子についてはCox比例ハザードモデルによる単変量・多変量解析を行った.【結果】BR群32例の平均年齢は64.7歳,男女比は14/18であった.占居部位は頭部/体尾部/その他が25/4/3であった.平均腫瘍径は3.9cm.組織型はwell/mod/porが5/23/4であった.リンパ節転移陰性/陽性は14/18,R0/R1は21/11であった.JPS stageはStage III/IVa/IVbが2/25/5であった.32例の1,2,3年生存率はそれぞれ56.3%,31.8%,9.9%で,生存期間中央値は14.0か月であった.腫瘍占居部位 (p=0.002),RP因子(p=0.028),PL因子 (p<0.001),JPS stage (p=0.004)において2群間に有意差を認めた.BR群はR群よりも有意に予後不良であった (p<0.001).多変量解析の結果,切除可能性は腫瘍最大径,組織学的分化度とともに切除例における独立した予後因子であった (HR 2.576; 95%CI 1.609-4.123; p<0.001).【結語】BR膵癌切除例は切除可能膵癌と比較して膵後方組織浸潤および膵外神経叢浸潤を高率に認め,StageIV進行癌が多く,予後不良であった.内腔狭窄を伴うSMV/PV浸潤や主要動脈浸潤をBR膵癌とする判定基準は,予後を反映し妥当であった. |
索引用語 |
膵癌, Borderline resectable 膵癌 |