共同演者 |
鈴木 修司(東京女子医大・消化器外科), 大島 奈々(東京女子医大・消化器外科), 君島 映(東京女子医大・消化器外科), 鈴木 隆二(東京女子医大・消化器外科), 出雲 渉(東京女子医大・消化器外科), 貝瀬 智子(東京女子医大・消化器内科), 塩賀 太郎(東京女子医大・消化器内科), 門前 正憲(東京女子医大・消化器内科), 長尾 健太(東京女子医大・消化器内科), 田原 純子(東京女子医大・消化器内科), 久保木 友子(東京女子医大・消化器内科), 高山 敬子(東京女子医大・消化器内科), 清水 京子(東京女子医大・消化器内科), 古川 徹(東京女子医大統合医科学研究所), 白鳥 敬子(東京女子医大・消化器内科), 山本 雅一(東京女子医大・消化器外科) |
抄録 |
【目的】2012年に改訂されたIPMN・MCN国際診療ガイドラインの治療指針について,IPMN切除例から検証した.【方法】改訂版では多くが混合型に分類されてしまうため,6mm以上の部分的あるいはびまん性の主膵管拡張が主体で分枝の拡張が10mm未満のものを主膵管型とし,これ以外の分枝の拡張が主体である混合型も含めたIPMNを分枝型とした.対象は1981-2012年のIPMN切除例452例(主膵管型89例,分枝型363例)で手術適応,術式,経過観察について検討した.【成績】1)主膵管型:low-grade dysplasia(LG)28%,intermediate-grade dysplasia(ImG)9%,high-grade dysplasia(HG)22%,associated invasive carcinoma(IC)41%で悪性が63%であった.術式は膵頭切除28%,膵中央切除(MP)6%,尾側膵切除(DP)44%,膵全摘(TP)22%で術中追加膵切除は6%,術後経過中の残膵治療例は10%であった.2)分枝型:アルゴリズムに従うと,high-risk stigmataは133例でLG 19%,ImG 3%,HG 28%,IC 50%で悪性が78%であった.worrisome featuresは140例でLG 25%,ImG 20%,HG 40%,IC 15% で悪性が55%であった.worrisome featuresのなかった90例の嚢胞径は3cm超が36例で,LG 81%,ImG 5%,HG 14%,IC 0%で悪性が14%であった.嚢胞径2-3cmは28例でLG 86%,ImG 0%,HG 14%,IC 0%で悪性が14%であった.嚢胞径1-2cmは20例でLG 85%,ImG 15%,HG 0%,IC 0%で悪性はなかった.嚢胞径1cm以下は6例でLG 83%,ImG 17%,HG 0%,IC 0%で悪性はなく,worrisome featuresのなかった嚢胞径2cm以下でも悪性はなかった.術式(同時重複例あり)は膵頭切除62%,MP 12%,DP 21%,TP 7%で,術中追加膵切除は3%,術後経過中の残膵治療例は3%であった.多発分枝型で最大病変以外の拡張分枝には悪性を認めなかった.【結論】IPMN切除例からみると国際診療ガイドライン2012は有用な治療指針である. |