セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
膵臓-手術治療 4
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タイトル |
外P-590:膵頭十二指腸切除後残膵全摘例からみたSSPPD(PD)-IIA型再建の有用性
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演者 |
後藤田 直人(国立がん研究センター東病院・上腹部外科) |
共同演者 |
高橋 進一郎(国立がん研究センター東病院・上腹部外科), 木下 敬弘(国立がん研究センター東病院・上腹部外科), 芝崎 秀儒(国立がん研究センター東病院・上腹部外科), 加藤 祐一郎(国立がん研究センター東病院・上腹部外科), 小西 大(国立がん研究センター東病院・上腹部外科) |
抄録 |
【はじめに】膵頭部腫瘍に対する膵頭十二指腸切除術は膵頭部癌を始め,悪性度の高い疾患を対象とすることが多いが,近年は長期予後の改善が見られるとともに,異時性の残膵に発生する膵癌(IPMNs)なども増加していると考えられる.【目的】膵頭十二指腸切除後残膵全摘例からみたSSPPD-IIA型再建後の術後治療成績について検討する.【対象および方法】2003年1月から2012年12月までに当院で初回手術(膵頭十二指腸切除;SSPPD, PD)を行った454例中,同期間の術後に残膵癌(IPMNs含む)の発生を認め残膵全摘を行った12例を対象としretrospectiveに検討した.【結果】膵頭部腫瘍切除後に残膵全摘を必要とした症例は12/454例,2.6%であった.初回切除時の疾患は浸潤性膵管癌6例,膵IPMNs5例,下部胆管癌1例で全例PCM(-)であった.残膵全摘時は浸潤性膵管癌8例,膵IPMNs3例,粘液癌1例であった.再建については全例II型(膵,胆管,胃の順に吻合)で膵空腸吻合,粘膜・粘膜吻合法(柿田式)で行い,12例中1例のみ胃癌に対する手術既往がありPD再建となったがその他の11例はSSPPD再建であった(SSPPD(PD)-IIA).初回切除時の年齢中央値は66.5歳(37-78),初回切除から残膵全摘までの期間中央値は787日(366-2278).残膵全摘術後合併症は1例に初回切除時の胃空腸吻合部の吻合部潰瘍を認めたのみで全例脾摘も併施していたが胃内容排出遅延発生例も認めず,術後在院日数中央値は14日(11-31)であった.【考察】膵頭十二指腸切除後に残膵全摘を要する発生頻度は2.6%で決して稀ではないと考えられた.SSPPD-IIA型再建では残膵全摘を行う際,拳上空腸を切離するだけで残膵全摘可能であり,再吻合を必要としないため残膵全摘における手術侵襲は低いと考えられた.膵頭十二指腸切除時における術後合併症が改善傾向を認める近年,異時性,2次癌に対する再建術式の有用性という点についても今後検討することが重要と考える. |
索引用語 |
膵頭十二指腸切除, 残膵全摘 |