セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
膵臓-手術治療 4
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タイトル |
外P-592:高齢者に対する膵頭十二指腸切除術における工夫
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演者 |
西森 英史(札幌道都病院・外科) |
共同演者 |
秦 史壯(札幌道都病院・外科), 池田 慎一郎(札幌道都病院・外科), 秋山 守文(札幌道都病院・外科), 平間 知美(札幌道都病院・外科), 山田 真美(札幌道都病院・外科), 矢嶋 知己(札幌道都病院・外科) |
抄録 |
【はじめに】高齢化社会の到来により,実臨床において80歳以上の高齢者に対する手術症例は増加傾向にあり,膵頭十二指腸切除(PD)の適応となる症例も例外ではない.周術期管理や手術手技の進歩により,高齢者に対する手術はかつてより安全に行われるようになっているが,PDは依然として周術期合併症の多い術式であり,手術死亡も少なくない.当院では高齢者に対するPDをより安全に施行し,より良い短期成績を得るために以下の3点を工夫している.1)膵空腸吻合は膵液瘻の少ない安全な端側一層による嵌入法とする,2)術後チューブ自抜等の事故を減らすため,膵管チューブはロストチューブとする(胆管空腸吻合部はドレーンを留置しない),3)術後早期に食事摂取が可能となるように胃切除を行う.これらの詳細と手術成績を報告する.【対象】過去3年間に当院で経験した80歳以上(手術時年齢)のPD症例,全6例の手術成績を検討した.【結果】男性3例,女性3例,平均年齢は83.2歳で最高齢は88歳.手術対象疾患は,膵頭部癌:2例,胆管癌:2例,ファーター乳頭部癌:1例,十二指腸カルチノイド:1例であった.再建は全例child変法で行い,braun吻合を併施し腸瘻は造設していない.平均手術時間は,332分であった.出血量の平均は,696ccで2例に輸血を要した.術後膵液瘻は,ISGPF分類で膵液瘻なし:2例,Grade A:2例,Grade B:1例,Grade C:1例であった.手術開始までの期間は1例を除き7日であった.在院死を1例(16.7%),再発による原病死を1例に認めたが,4例(66.6%)は無再発生存中である.【結語】今回の検討では,83.3%(5/6症例)が経口摂取可能な状態で転院あるいは退院されており,80歳以上の高齢者においても単純に年齢だけでPDを躊躇するものではなく,比較的安全に施行可能であると思われた.手術における上記3つの工夫は一定の割合で成績に寄与していると推察されるが,今後さらなる症例蓄積が必要である. |
索引用語 |
膵頭十二指腸切除, 高齢者 |