セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)膵臓-手術治療 4 |
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タイトル | 外P-593:膵体尾部癌に対する標準手術としてのModified RAMPS |
演者 | 北川 裕久(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科) |
共同演者 | 田島 秀浩(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 牧野 勇(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 宮下 知治(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中沼 伸一(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 林 泰寛(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 寺川 裕史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 二宮 致(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科) |
抄録 | 膵体尾部癌では脾動脈処理を先行し体部から尾側方向に切離を進めるRAMPS(Strasberg, 2003)が標準的な術式である.しかしRAMPSでは,「後方剥離層」の決定・展開の点で十分ではなく曖昧であった.我々は膵体尾部癌の標準手術として,膵後方剥離を「腎筋膜前葉(Anterior renal fascia, ARF)」で包み込むように展開するmodified RAMPSを開発し行っている.【手技】脾動脈処理,膵後面剥離,膵切離,SMA前面から剥離,脾剥離,標本摘出の順で行う.膵後面剥離:腎筋膜前葉は後腹膜を広く被っている薄い透明な膜であるが,膵下縁レベルでIVCから左腎静脈前面へとARFを腎門部まで横方向に切開し,膵上縁に向かってARFで被われたままで剥離する.副腎は実質前面を露出し出血は縫合止血するが,浸潤が疑われる場合には合併切除する.SMA前面からの剥離:膵切離し,切除膵を腹側に牽引しつつSMA神経叢との境界を剥離し,前もって剥離しておいたIVC前面右縁に向けて進める.リンパ節郭清はD2まで行うが,癌巣が大動脈左縁よりも右側に拡がる場合には腹腔動脈合併切除(DP-CAR)も考慮する.【成績】2007年から2012年までにmodified RAMPSを行った通常型浸潤性膵管癌25例を対象とした.腫瘍占居部位はAJCC分類で定められたaorta左縁を境として左側をtail(T;16例),右側から門脈左縁までをbody(B;9例)とした.合併切除は,副腎4例(部分切除2例),横行結腸1例,門脈楔状切除1例であった.DP-CARは5例に行われていた.平均の年齢67±8歳,手術時間385±73分,出血量349±348mlであった.JPSのStageIは1例,IIは3例,IIIは6例,IVaは13例,IVbは1例,N0は12例,N1は13例,腎筋膜前葉を越える浸潤は4例にみられた.R0症例は22例で,OSは5生52%(占居部位B:40%,T:58%),5年以上無再発生存は5例であった.【まとめ】modified RAMPSは膵体尾部癌の標準手術として有用であり,根治性も高い. |
索引用語 | 膵体尾部癌, 標準手術 |