セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-術後合併症 2

タイトル 外P-600:

当科におけるPancreatic head resection後Delayed Gastric Emptying症例の検討

演者 小坂 久(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科))
共同演者 黒田 暢一(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 鈴村 和大(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 宇多 優吾(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 大橋 浩一郎(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 矢田 章人(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 末岡 英明(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 裴 正寛(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 近藤 祐一(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 田中 省吾(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 中村 育夫(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 麻野 秦包(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 岡田 敏弘(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 平野 公通(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 飯室 勇二(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 藤元 治朗(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科))
抄録 はじめに: Delayed gastric emptying (DGE)はPancreatic head resection後の代表的な合併症の一つであり,その発生メカニズムは未だ解明されていない.DGE発生の危険因子として結腸後経路,Pylorus preserving pancreatoduodenectomy (PPPD),術前糖尿病,術後膵瘻などが報告されているが未だcontroversialである.当該研究において当科におけるDGE症例を解析し,その危険因子を検討した. 方法: 2009年から2013年2月までに当科でPancreatic head resectionを施行した110例を対象とし,術前因子,術中因子及び膵瘻合併の有無がDGE発生に及ぼす影響を検討した.当科ではPPPDを基本術式としtraverso法にて再建を行っている.胃空腸吻合は結腸前経路で行い,胃は左側腹部にストレート化している.結果: 当科におけるDGE発生率はGrade A / B / Cがそれぞれ0.9 / 0.9 / 7.3 %であり,over allで9.1%の発生率であった.術後在院日数はDGE群 / non-DGE群でそれぞれ60.3±11.6 / 37.1±1.3 daysであり,DGE合併症例で有意に術後在院日数の延長が認められた.DGE発生危険因子を探るべくDGE群 / non-DGE群における術前因子(年齢,BMI,HbA1c,amylase,total bilirubin),術中因子(術式,再建経路,術中出血量,手術時間),術後因子(膵瘻合併の有無)の10項目をロジスティック回帰解析したが有意な危険因子は認められなかった.従前,DGE発生危険因子と報告されていた再建経路や膵瘻発生の有無,術前糖尿病の有無などの因子は本研究においてDGE発生に関与していなかった.まとめ:当科におけるPancreatic head resection後のDGE発生率は9.1%と許容できるものであった.DGE発生危険因子は明らかにならなかったが従前,DGE危険因子と報告されていた再建経路や術後膵瘻発生の有無がDGE発症に関与しない可能性が示唆された.
索引用語 DGE, PD