セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)膵臓-術後合併症 2 |
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タイトル | 外P-602:TENSIPRESSERによる膵組織硬度測定を用いた術後膵液瘻予測の検討 |
演者 | 三賀森 学(大阪府立成人病センター・外科) |
共同演者 | 後藤 邦仁(大阪府立成人病センター・外科), 大東 弘明(大阪府立成人病センター・外科), 高橋 秀典(大阪府立成人病センター・外科), 真貝 竜史(大阪府立成人病センター・外科), 本告 正明(大阪府立成人病センター・外科), 岸 健太郎(大阪府立成人病センター・外科), 丸橋 繁(大阪府立成人病センター・外科), 能浦 真吾(大阪府立成人病センター・外科), 藤原 義之(大阪府立成人病センター・外科), 矢野 雅彦(大阪府立成人病センター・外科), 石川 治(大阪府立成人病センター・外科) |
抄録 | 膵切除術においてsoft pancreasは術後膵液瘻の危険因子として挙げられることが多いが,膵組織の硬さは術中に術者が主観的に判断したものである.そこで食品の硬度などを測定する物性測定器であるTENSIPRESSERを用いて,膵組織の硬度を測定し,術後膵液瘻予測の可能性について検討した.【対象と方法】2011年2月から2013年1月までに当科において膵組織硬度を測定した膵頭十二指腸切除症例62例を対象とした.疾患の内訳は膵癌40例,のう胞性膵疾患8例,胆管癌7例,Vater乳頭部癌4例,その他3例.摘出した膵組織は被膜を除去した後,約8mm角にそろえ,TENSIPRESSERを用いて硬度(高値=硬い)(gw/cm2)と凝集性(低値=もろい)を測定し,術者の主観的な硬度評価,術後膵液瘻との相関について検討した.尚,膵液瘻についてはISGPF Gradeを用い,Grade B以上を膵液瘻ありと定義した.【結果】術中,膵組織の主観的な硬度評価では「柔らかい」が21例,「柔らかくない」が41例であった.各群の平均膵硬度は1641,2186であり,術者の主観的な評価と測定した膵硬度の間に相関を認めた(p<0.05).しかし平均の凝集性は0.535,0.557で術者の主観的な評価との間に相関を認めなかった.術後膵液瘻の検討では,測定膵硬度が2070未満の群(n=41)と2070以上の群(n=21)に分けたところ,術後膵液瘻(なし/あり)は20/1例と28/13例で,2070未満の群で術後膵液瘻の発生頻度が高かった(p<0.02).硬度と凝集性の間には弱い正の相関を認めた(p=0.01).膵硬度が2070未満の群(n=41)において凝集性が0.605未満の群(n=32)と0.605以上の群(n=9)に分けたところ,術後膵液瘻(なし/あり)は20/12例,8/1例と凝集性の低い群で術後膵液瘻の発生頻度が高い傾向にあった(p=0.12).【結語】TENSIPRESSERを用いることで,膵組織の硬度を客観的に評価でき,また硬度や凝集性を測定することにより術後膵液瘻を予測できる可能性が示唆された. |
索引用語 | 膵液瘻, 膵硬度 |