セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)膵臓-術後合併症 2 |
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タイトル | 外P-605:膵頭十二指腸切除(PD)後早期合併症の現況および膵液瘻危険因子について |
演者 | 朝倉 武士(川崎市立多摩病院・消化器・一般外科) |
共同演者 | 浜辺 太郎(川崎市立多摩病院・消化器・一般外科), 西尾 乾司(川崎市立多摩病院・消化器・一般外科), 京井 玲奈(川崎市立多摩病院・消化器・一般外科), 瀬上 航平(川崎市立多摩病院・消化器・一般外科), 石井 将光(川崎市立多摩病院・消化器・一般外科), 朝野 隆之(川崎市立多摩病院・消化器・一般外科), 大坪 毅人(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科) |
抄録 | (目的)PDにおいて膵液瘻を中心とした合併症により術後難渋する症例をいまだ多く経験する.今回,PD後早期合併症の現況および膵液瘻危険因子について検討から問題点を検証する.(方法・結果1)2011.11月~2012.11月までの14ヶ月間14症例について検討.男性10例・女性4例.平均年齢72歳.術式は,PD1例PPPD5例SSPPPD8例,門脈合併切除4例.平均手術時間495分,出血1288ml,術後在院期間21.5日.早期合併症は,難治性下痢・SMV血栓症・脳幹部硬塞・肝膿瘍・DGEおよび肝合併切除例の胆汁瘻感染.合併症率は,42.9%,発生頻度の多いSSIは認めなかった.膵液瘻に関してもGrade Aを4例のみで,Grade B以上への移行はなかった.このうち1例は,ドレーンアミラーゼ5348IU/Lと高値で抜去したが再穿刺等の処置はなかった.SMV血栓症に関しては,血栓溶解剤使用で入院中に消失.肝膿瘍症例に対しては治療抗菌薬投与で改善.DGE関しては,PD IIA-1の結腸前再建ではほとんど出現することはなくなった.上記結果を踏まえ再建方法の定型化・術後管理(閉鎖式ドレーン・高圧皮下洗浄・埋没縫合・早期ドレーン抜去・早期経管栄養の投入等)および合併症症例について考察を行う.(方法・結果2)膵液瘻危険因子について膵液瘻の有無で2群(膵液瘻群4例VS非膵液瘻群10例)に分け危険因子について検討.以前他施設で検討をおこない有用であると判断した因子(BMI・手術時間・術中出血・および術翌日の採血データ等)に関しての有意差検定を行った.今回の検定結果で有意差を認めたのは,術翌日のドレーンアミラーゼ値だけであったが,4例全てがsoft pancreasで胆道疾患であった.(まとめ)Grade B以上の膵液瘻を少なくするための取り組みが大切でり侵襲の大きいPDにおいてさまざまな合併症への対応が必要である.PD後早期合併症の現況および膵液瘻危険因子について検討を行った. |
索引用語 | 膵頭十二指腸切除, 膵液漏 |