セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-化学療法・集学的治療 1

タイトル 外P-607:

当院における切除不能進行・再発胃癌のHER2発現状況とTrastuzumab併用化学療法の経験

演者 吉川 朱実(市立富山市民病院・外科)
共同演者 齋藤 裕人(市立富山市民病院・外科), 庄司 泰弘(市立富山市民病院・外科), 野島 直巳(市立富山市民病院・外科), 月岡 雄治(市立富山市民病院・外科), 福島 亘(市立富山市民病院・外科), 廣澤 久史(市立富山市民病院・外科), 泉 良平(市立富山市民病院・外科), 齋藤 勝彦(市立富山市民病院・病理診断科)
抄録 【目的】当院における切除不能進行・再発胃癌でのHER2発現状況を検討し,Trastuzumab(Tr)併用化学療法の経験を報告する.【対象】2011年3月から2013年2月の間に化学療法の開始または変更に際しHER2検索を行った進行・再発胃癌症例33例.HER2検査は切除例では切除標本,非切除例では生検標本にて行い,IHC 3+または「IHC 2+かつFISH+」を陽性とした.【結果】HER2検索時の年齢:40-82(中央値 68)歳.男性:22,女性:11例.分化型:14,未分化型:19例.治癒切除後再発:11(補助化療あり:9),非治癒切除R1:5,非治癒切除R2:7,非切除:10例.転移部位(重複あり)はLYM:24,PER:15,HEP:6,OSS:2,SKI:2,PUL:1,CY(PERをともなわないもの):2例.HER2陽性例は7(IHC 3+:6,IHC 2+かつFISH+:1)例,21.2%.分化型での陽性率:5/14(35.7%),未分化型での陽性率:2/19(10.5%).HER2陽性の7例中,治癒切除後再発:4(補助化療あり:4),非治癒切除R2:3例.転移部位(重複あり)はLYM:6,PER:2例.PS不良の1例を除く6例にTrを投与.1st line(補助化療除く):4,3rd line:1,4th line:1例.併用化学療法はXP:5 (1例は後にS1に変更),Tr単剤:1例.Tr単剤例は治療効果PD.Tr+XPの5例中,3クール以上継続例は3例,いずれも1st line.症例1) LYM(PALN)再発.PR.治療開始より577日,Tr+Xにて継続中.症例2) R2切除(PER).CT上,評価可能病変なし.治療開始より352日,Tr+Xにて継続中.症例3) LYM再発.PRとなるも有害事象によりTr単剤に変更し,PD.Tr+S1に変更し,PD.Tr投与期間450日.後治療:PTX継続中.【考察】HER2陽性率および分化型で陽性率が高い点は既報と同様であった.Trは化学療法併用で1st lineとして使用した際に長期の臨床的有用性が得られる例があった.
索引用語 胃癌, HER2