セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-化学療法・集学的治療 1

タイトル 外P-608:

Trastuzumab+XPが奏効したHER2陽性StageIV胃癌の一例

演者 今井 智大(水島協同病院・外科)
共同演者 山本 明広(水島協同病院・外科), 江口 孝行(水島協同病院・外科)
抄録 【背景と目的】2011年3月に胃癌に対するTrastuzumab併用療法が承認されて以来,奏効例の報告が見られるようになった.今回Trastuzumab+XPが奏効したHER2陽性StageIV胃癌の一例を経験したので,その安全性と有用性について検討した.【症例】56歳,男性.胃癌による幽門狭窄から胃穿孔による限局性腹膜炎を発症し発見された.L,Circ,肉眼型不明,tub2,cT3NXH1P0CY1M0 cStageIV.原発巣はリンパ節と一塊となり,肝十二指腸間膜を取り囲むように存在した.肝両葉にわたる同時性多発肝転移を認めた.腹膜炎は保存的治療で軽快した.のちに幽門狭窄に対して,胃空腸吻合術を施行した.HER2強陽性(IHC3+)であったため,Trastuzumab+Capecitabine+Cisplatin(H+XP)の3剤併用療法を行った.3コース後のCTでPRを確認し,計12コースPRを維持した.投与直前に原発巣の進行による下部胆管狭窄による黄疸を来したが,H+XPを1コース投与した段階で,黄疸は速やかに改善した.12コース終了後に腫瘍マーカーの上昇を認めたため,二次治療のTrastuzumab+weekly Paclitaxel(3週連続投与1週休薬)に移行し,現在継続中である.用量調節や支持療法によってGrade3以上の有害事象は認めなかった.【まとめ】H+XP療法は切除不能進行胃癌に対して有用であると考えられた.
索引用語 Trastuzumab, 胃癌