セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-化学療法・集学的治療 1 |
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タイトル | 外P-609:進行胃癌に対する集学的治療の標準化に向けての予後解析 |
演者 | 山下 継史(北里大・外科) |
共同演者 | 細田 桂(北里大・外科), 江間 玲(北里大・外科), 荒木 一兵太(北里大・外科), 三重野 浩朗(北里大・外科), 森谷 宏光(北里大・外科), 桜本 信一(北里大・外科), 片田 夏也(北里大・外科), 菊池 史郎(北里大・外科), 渡邊 昌彦(北里大・外科) |
抄録 | (背景)進行胃癌の治療成績向上のため予後解析に基づく治療戦略の考察は極めて重要である.われわれは,Stage IB,Stage II/III,Stage IV 進行胃癌の手術例に対する詳細な予後解析により進行胃癌の治療方針開発に一定の方向性を提言する.(患者と解析)2000年から2010年までの1673例の外科治療成績例から Stage IB (130例),Stage II/III R0 手術および術後 S1内服例 (172例),Stage IV 進行胃癌 DCS化学療法後Salvage 症例 (30例) の詳細な予後解析を行なった.(結果)(1) Stage IB 進行胃癌の単変量予後解析では年齢と静脈侵襲が有意な予後因子となり,多変量解析では静脈侵襲が独立した因子であった.再発形式は 58% が肝転移であり,再発時期は2相性であった.1年以内再発症例は80%が5センチ以上,1年以降再発症例は15%が5センチ以上であった (p=0.022).(2) Stage II/III 進行胃癌の多変量予後解析ではステージと独立した因子は lymph node ratio 16.7および組織型であった.なかでも Stage IIIC (第14版)と lymph node ratio を組み合わせるとハイリスク患者の選定ができることが判明した.ハイリスク症例は術前検査で予測不能であった.(3) Stage IV胃癌のDCS化学療法後 Salvage 手術は2年生存率66%であり良好な治療成績を示した.多変量解析ではypN3が独立した予後因子となり,ypN3症例には5年生存例は認めなかった.(結語)(1) Stage IB 進行胃癌は通常術後補助化学療法が行われていないが,静脈侵襲例は予後不良であり補助療法の有効性につき検討すべきである.(2) Stage II/III 症例では lymph node ratioと Stage IIIC(第14版)症例の組み合わせでハイリスク患者が選別できたが術前には 診断できなかった.術後強力なフォローアップシステムと抗癌剤治療の開発が必要と考えられる.(3)Stage IV 胃癌でDCS後 salvage surgeryで良好な予後が期待できるが, ypN2 症例は予後不良でさらなる治療オプションの開発を必要とする. |
索引用語 | 進行胃癌, 化学療法 |