セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-化学療法・集学的治療 1 |
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タイトル | 外P-611:胃癌に対する術後補助化学療法の現状と治療強度に影響する因子の検討 |
演者 | 原 拓央(厚生連高岡病院・外科) |
共同演者 | 奥田 俊之(厚生連高岡病院・外科), 太田 尚宏(厚生連高岡病院・外科), 尾山 佳永子(厚生連高岡病院・外科), 加藤 洋介(厚生連高岡病院・外科), 出村 嘉隆(厚生連高岡病院・外科), 村松 賢一(厚生連高岡病院・外科), 吉田 周平(厚生連高岡病院・外科), 村杉 桂子(厚生連高岡病院・外科) |
抄録 | 2007年以降,取り扱い規約13版pStageII-IIIの進行胃癌術後にS-1を1年間投与する補助療法が標準治療とされ,当科でも該当病期の適応症例に同療法の説明を行い希望例に導入している.効果の面からはなるべく高い治療強度の確保が望ましいと考えられるが,術後数週の補助療法開始時には未だ摂食や体調が不安定な症例も少なくない.そこで補助療法の現状と治療強度に影響する因子について検討を試みることにした.【対象】2007~2011年の間に補助療法の対象となりうる病期で,規約14版によるR0手術が施行された進行胃癌110例.【成績】男性/女性:75/35例,年齢39-91(平均72.0±9.8,中央値73.5)歳.術式は胃全摘/幽門側胃切除/噴門側胃切除/食道亜全摘:37/65/7/1例,pStage(規約14版)はIIA/IIB/IIIA/IIIB/IIIC:11/28/25/30/16例.このうち補助療法は65例(59.1%,平均67.3歳)にS-1(80mg/m2/日,4週内服2週休薬)を導入したが,1年以内の再発による中止が14例(24.6%),他癌診断による中止が1例あった.有害事象による中止が15例(23.1%)あり,1年間継続できたのは35例(53.8%)であった.減量なく8コース完遂した場合をDose intensity(以下,DI)100%とすると,再発/他癌中止を除く50例の平均DIは61.7%,1年間継続35例で80.2%であった.性別,病期,術式(胃全摘または噴門側胃切除 vs 幽門側胃切除)によるDIの差は認めなかったが,補助療法開始時PS(0 vs 1)では有意な差を認めた(p<0.01).またDIと年齢は有意な相関(p=0.02)を認めた.DIと術前・補助療法開始時の体重やBMIとは相関しなかったが,術前後の体重減少率とは相関の傾向(p=0.07)を認めた.【結論】補助療法の治療強度を左右する背景としてPS,年齢が挙げられた.手術に関連する因子として術前後の体重減少率が影響する傾向を認め,適切な介入ができれば補助療法の治療強度が高められる可能性が示唆された. |
索引用語 | 胃癌, 補助化学療法 |