セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
胃-化学療法・集学的治療 2
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タイトル |
外P-612:conversion surgeryを施行したStageIV胃癌症例
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演者 |
萩野 茂太(黒部市民病院・外科) |
共同演者 |
名倉 慎(黒部市民病院・外科), 芳炭 哲也(黒部市民病院・外科), 経田 淳(黒部市民病院・外科), 岩田 啓子(黒部市民病院・外科), 桐山 正人(黒部市民病院・外科) |
抄録 |
【目的】H1・P1・CY1の非治癒因子を有するStageIV胃癌症例は予後不良であり,ガイドライン上も治療法としての統一したコンセンサスがない状況である.一般にchemotherapyが第1選択となる症例が多いが,奏功率上昇とともに根治切除可能例も徐々に増加している.今回,当院においてStageIV胃癌症例に対する集学的治療としてconversion surgeryを施行した症例について検討した.【対象】2010年1月~2012年4月に当院で初発がん登録された胃癌症例は計250例で,StageIV胃癌は40例(16%)であった.治療としてChemotherapyを施行したのは17例(42.8%)であるが,このうちinduction chemotherapy後に外科的切除した4例(10%)を今回対象とした.【結果】対象の年齢中央値は59歳(52-74),非治癒因子はM1(LYM):2例,H1:1例,P1:1例.NACレジメンは全てTS-1+CDDP(SP)療法で,grade3以上の有害事象はなく,1例にPRを得た.R0手術は2例に施行し,術後合併症はなかった.Ef-gradeは3例が1a,1例が2.MSTは16.25ヶ月(6-33)で,2例にadjuvant chemotherapyを施行し,1例で遺残再発を認めたものの現在までに死亡例は認めなかった.他方,conversion surgery施行例以外のStageIV胃癌症例の年齢中央値は81.5歳(51-96),MSTは4.5ヶ月(0-30)であった.治療法別内訳は手術療法(姑息的バイパス術含む)単独:3例,手術療法→adjuvant chemotherapy:3例,chemotherapy単独:10例,BSCのみ:14例.このうち手術後にadjuvant chemotherapyを施行した3例のMSTはいずれも7カ月以下であった.【まとめ】StageIV胃癌に対するconversion surgeryは,患者のPSやchemotherapyが奏功する症例の選択,手術の介入時期等を十分に検討する必要はあるが,一定期間のQOL維持や予後改善を得られる可能性が示唆され,集学的治療において重要な役割を担うと考えられた. |
索引用語 |
StageIV胃癌, conversion surgery |