セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-化学療法・集学的治療 2

タイトル 外P-617:

手術後の癌遺残(R1,R2)症例に対する併用補助療法の成績

演者 根本 洋(昭和大藤が丘病院・外科)
共同演者 齋藤 充生(昭和大藤が丘病院・外科), 北村 陽平(昭和大藤が丘病院・外科), 櫻庭 一馬(昭和大藤が丘病院・外科), 横溝 和晃(昭和大藤が丘病院・外科), 梅本 岳宏(昭和大藤が丘病院・外科), 松原 猛人(昭和大藤が丘病院・外科), 水上 博喜(昭和大藤が丘病院・外科), 木川 岳(昭和大藤が丘病院・外科), 田中 淳一(昭和大藤が丘病院・外科)
抄録 【はじめに】ACTS-GCでは,胃癌D2術後のTS-1補助療法の有用性が報告されたが,Stage IIIBには示せなかった.同試験の適格症例は根治度A,Bの術後であり,C症例は除外されている.つまり,旧規約の根治度C, 現規約のR1,R2術後症例の標準的な化学療法はない.当科では通常のD2を目的とした手術後の結果として,癌の遺残がある(R1,2)場合,TS-1を含んだ併用療法(レンチナン(以後LNT)もしくはTXT)を行っている.これらの症例を,補助療法をTS1のみで行った対照群(n=7)として,生存期間,無再発生存期間を比較,検討した.【対象および方法】併用群は17名(観察期間1.5~41.9か月)に行っており,癌の遺残度はR1:R2=15:2で,TS1の併用療法はLNT:TXT=10 : 7 であった.病理上,旧規約でN2症例の場合はリンパ節転移が10個以上みられた場合もR1に含めた.【結果】併用群のOSは25.4か月で対照群は32.8か月で有意差は認めなかった.併用群の無再発生存期間は17.8か月で対照群は14.0か月であり,これも有意差は認めなかった.治療別にみるとTS1/LNT療法例ではOS 25.4か月で,無再発生存期間 17.4か月であった.TS1/TXT療法例は,一名死亡したのみであり,2年生存率67%であった.【総括および考察】併用群と対照群について,現状では,明らかな差異を認めていない.治療別では,TS1/LNT療法においてLNTは,明らかな上乗せ効果はみられていない.TS1/TXT療法についてはまだ短期間の観察であるものの,高い可能性を有していると考えている.その後の経過を含め報告する.
索引用語 胃癌, 化学療法