セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
胃-周術期管理・代謝・栄養
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タイトル |
外P-618:β-Dグルカンを指標とした高齢者胃癌手術後真菌感染症に対する予防的抗真菌薬投与の探索的検討
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演者 |
並川 努(高知大・1外科) |
共同演者 |
宗景 絵里(高知大・1外科), 志賀 舞(高知大・1外科), 北川 博之(高知大・1外科), 駄場中 研(高知大・1外科), 岡本 健(高知大・医療管理学), 小林 道也(高知大・医療管理学), 花崎 和弘(高知大・1外科) |
抄録 |
【背景】深在性真菌症は様々なリスクファクターを有する患者に発症するとされており,重篤な臓器障害を合併することもあるため治療に際して予防的抗真菌薬投与を行うという考えもある.【目的】真菌症高リスク群である高齢者胃癌の血中β-Dグルカン(βDG)値を推定することと,手術後βDGを指標とした抗真菌剤予防投与の有用性について検討すること.【対象と方法】対象は胃癌に対して手術を施行した70歳以上の高齢者で本臨床試験の同意の得られた81人.手術後第1日目の血中βDGテストが11 pg/ml以上であった症例を抗真菌剤投与群(投与群)と抗真菌剤非投与群(非投与群)に振り分けし,術後8日目に再度血中β-DGを測定した.血中βDG値,体温,白血球数,CRP等の炎症指標の変化について検討した.【結果】βDG高値は32.1% (26/81)に認められ,投与群,非投与群はそれぞれ13例であった.βDG高値群のβDG中央値は18.2 pg/mlで,βDG高値群はβDG正常値群に比してStage III/IVの割合が有意に高かった(44.1% vs. 23.4%; P = 0.049).またβDG高値群は心血管系合併症あるいは肝機能異常合併率が高い傾向にあった.抗真菌剤投与7日目のβDG正常値回復率は投与群,非投与群とも76.9%であった.投与群の第8病日の発熱は非投与群に比し有意に低く抑えられていた(36.8 °C vs. 37.2 °C, P = 0.045).投与群,非投与群のβDG値の変化量は10.0 pg/ml,12.7 pg/ml,変化率は37.6%,32.1%,発熱の変化量は0.6 ℃,0.7 ℃,CRPの変化量は1.6 mg/dl,1.2 mg/dl,白血球数の変化量は1050/mm3,1000/mm3で,いずれも有意差は認めなかった.手術後第1日目のβDGが正常値であった55例は,術後8日目βDG値も全て正常値であった.【結語】進行度の高い高齢者胃癌はβDG値が高く,深在性真菌症の高リスク群である可能性が高いことが示唆されたが,抗真菌剤予防投与の是非についてはさらなる検討を要する. |
索引用語 |
高齢者胃癌, 深在性真菌症 |