セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-周術期管理・代謝・栄養 |
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タイトル | 外P-619:高タンパク含有から通常タンパク含有経腸栄養剤に移行させる術後早期経腸栄養の検討 |
演者 | 丸山 道生(大久保病院・外科) |
共同演者 | 長浜 雄志(大久保病院・外科), 菅野 範英(大久保病院・外科), 佐藤 栄吾(大久保病院・外科), 丸山 祥司(大久保病院・外科), 田波 秀朗(大久保病院・外科), 村形 綾乃(大久保病院・外科), 米倉 孝司(大久保病院・外科), 上平 大輔(大久保病院・外科), 小野 真吾(大久保病院・外科), 鈴木 啓一郎(大久保病院・外科) |
抄録 | 目的:標準型栄養剤を用いた術後早期経腸栄養には,術後早期のエネルギー,タンパク投与量が少ないという問題点があった.その克服に高エネルギー高タンパク経腸栄養剤を用いた場合,エネルギー・タンパク量は充足するが,血中BUNが上昇する欠点があった.今回,その欠点を補う目的で,術後早期に高タンパク経腸栄養剤を用い,その後,通常タンパク経腸栄養剤に移行する術後早期経腸栄養を試みたので報告する.方法:対象は胃癌手術を施行した13例で,術中にNCJキットで,空腸瘻を造設した.術後経腸栄養は1日目10ml,2日目20ml,3日目40ml,4日以降60ml/時間と通常の漸増法で行った.高エネルギー高タンパク栄養剤(1.5kcal/ml,タンパク質9.5g/100ml)を用いた高タンパク群6例,術後1-3日目は高エネルギー高タンパク,4日目以降は高エネルギー通常タンパク栄養剤(1.5kcal/ml,タンパク質5.3g/100ml)に移行した移行試験群7例の2群をおいた.定期的に血液検査,畜尿検査を行い,6日目まで絶食とした.(結果)2群の対象症例のバックグラウンドに差はなかった.全例,術後順調に経過し,術後早期経腸栄養のスケジュールは完遂された.窒素バランスが正となるのは高タンパク群,移行試験群ともに2日目で差はないが,4日目以降の窒素バランスは高タンパク群が移行試験群より有意に高かった.アルブミン,トランスサイレチンには2群で差は認めなかった.6日目のBUNは高タンパク群31.3mg/dlで,移行試験群16.6mg/dlに比較し高く(p<0.005),全例は20mg/dl以上となった.結語:術後早期の異化更新時には高タンパク栄養剤を用いて,早期の窒素バランスの改善を得,4日目以降は通常タンパク経腸栄養剤を使用し,BUNの上昇を抑え,窒素バランスを正に保つことができた.術後栄養状態の改善も問題なかった.この新たな早期経腸栄養スケジュールは臨床的に意義があるものと考えられる. |
索引用語 | 早期経腸栄養, 術後管理 |