セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-周術期管理・代謝・栄養

タイトル 外P-620:

Onodera’s prognostic nutritional index (O-PNI)と胃全摘術を施行された胃癌患者の予後との関連についての検討

演者 石塚 満(獨協医大・2外科)
共同演者 小山 裕介(獨協医大・2外科), 阿部 曉人(獨協医大・2外科), 窪田 敬一(獨協医大・2外科)
抄録 【背景】術前の栄養状態と予後との間には,多くの癌腫にて関連があるとされているが,減量手術に近似する胃全摘術を施行された胃癌患者においての検討は少ない【目的】胃全摘術を施行された胃癌患者において,術前の栄養状態評価を含む臨床背景因子と予後との関連について検討を行うこと.【方法】2000年10月から2008年2月までの間に,当科で胃癌の診断で胃全摘術を施行しRoux-en-Y再建を行った154例を対象とした.検討項目は性別,年齢,手術時間,術中出血量,血清CEA,CA19-9,CRP,albumin並びに末梢白血球数,好中球比率,単球比率,リンパ球比率,血小板数,neutrophil to lymphocyte ratio(NLR),栄養評価項目としてbody mass index (BMI),Onodera’s prognostic nutritional index (O-PNI),病理学的因子として腫瘍肉眼型,腫瘍個数,組織型,リンパ管侵襲,静脈侵襲,リンパ節転移を用いた.連続変数である因子に関してはReceiver operating characteristic (ROC) curveにて各々cut-off値の設定を行い,予後との関連はCox比例ハザードモデルを用いた単,多変量解析を用いて検討した.【成績】単変量解析の結果,上記22因子中8因子で予後との関連を認めたため,これらを用いた多変量解析の結果,栄養評価項目であるO-PNI (≦45/>45) (odds ratio, 0.301; 95% C.I., 0.129 - 0.705; P = 0.006)は他の4因子(年齢 (≦72/>72), CEA (≦20/>20) (ng/ml), 白血球数 (≦9.5/>9.5) (x103/mm3), リンパ節転移(+/-))と共に予後関連因子として選出された.Kaplan-Meierとlog-rank testによる生存解析にてもO-PNI高値群(>45) (1677 ± 960)は低値群(≦45) (931 ± 729)に比べて予後が有意に良好であった(mean ± SD, days) (P<0.001).【結論】術前O-PNI測定は胃全摘術を施行された胃癌患者において,予後予測並びに層別化に有用であった.
索引用語 胃全摘術, Onodera’s prognostic nutritional index