セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-周術期管理・代謝・栄養 |
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タイトル | 外P-621:胃切除術後患者の骨密度および骨代謝マーカー測定に関する検討 |
演者 | 山崎 祐樹(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科DELIMITER芳珠記念病院・外科) |
共同演者 | 尾山 勝信(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 東 勇気(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 渡邊 利史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 柄田 智也(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 岡本 浩一(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 木下 淳(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中村 慶史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 宮下 知治(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 二宮 致(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 北川 裕久(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 前多 力(芳珠記念病院・外科), 吉光 裕(芳珠記念病院・外科), 佐久間 寛(芳珠記念病院・外科) |
抄録 | 胃切除後患者の骨密度ならびに骨代謝マーカーについて検討した.【対象・方法】外来通院をしている胃切除後1年以上経過している胃癌患者39症例について検討を行った.年齢は37-88歳(中央値:67歳),男性26例:女性13例,術式は全摘11例:幽切11例:分節9例:噴切5例:部分切除3例であった.外来受診時に骨密度(腰椎L2-L4・左右大腿骨),骨代謝マーカー:BAP(骨形成マーカー),TRACP-5b(骨吸収マーカー),ucOC(骨におけるVit.K不足のマーカー),Ca,PTH,1,25(OH)2Dを測定した.【結果】骨密度は若年成人平均(young adult mean;YAM)の58-145%(中央値82%),骨粗鬆症の診断基準(YAMの70%未満)を満たしている患者は7例(男性1例,女性6例),骨量減少(YAMの80%未満)を含めると15例(男性8例,女性7例)であった.術式別にみると,胃全摘群ではYAMの58-87%(中央値74%),噴門側胃切除術ではYAMの82-117%(中央値95%)と胃全摘群の方が有意に骨密度が低かった(P=0.003).骨のVit.K不足状態を反映するucOC値(cut off値;4.5ng/ml)は1.05-16.67ng/ml(中央値4.96ng/ml)と高値であり,骨折のリスクが高いとされる5.5ng/mlを上回っていたのは56%(22/39例)であった.【まとめ】胃切除後患者に骨密度の低下症例が多くみられた.噴門側胃切除群は胃全摘群に比べ,骨密度の低下が軽度であった.また,ucOC高値例が多く見られ,胃切後の吸収障害によるVit.Kの不足が骨代謝障害の一因であることが示唆された.胃切後骨代謝障害の治療は骨密度および骨代謝マーカーを測定し,症例に応じた治療法の選択が必要であると考えられた. |
索引用語 | 胃切後骨代謝障害, 胃癌 |